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ニッカン蹴球倶楽部コラム

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2005年12月 5日

祝☆関西J! 初優勝っ!:小縣裕介

 Jリーグ2005年のシーズンが終わった。本当に劇的な1年の戦いの締めくくりだった。結果は皆さんご存知の通りG大阪が最終節での逆転リーグ制覇。初の栄冠を手にして、関西のチームとしても初のリーグ優勝を果たした。

 G大阪おめでとう!アラウージョ、フェルナンジーニョ、大黒のトライアングルを中心とした破壊力抜群の攻撃力はまさしく今年の主役と言えるチームだったと思う。しかし、C大阪も3カ月以上も負けずにシーズンを終えたのである。スゴイことだと思う。

 関西に生まれ、小・中・高・大・社会人と関西で暮らし続け、どちらも分け隔てなく取材する私としては、どちらにも勝って欲しかったし、乱暴な言い方になるかもしれないが、この両チームならば正直どちらが勝っても良かった。

 10年以上取材しているが、G大阪は宮本、大黒、遠藤といった日本代表選手を中心とした華麗なスター軍団、大阪フランチャイズだが北摂に本拠を置き、ホーム万博に駆けつけるサポーターもイケてるギャル指数が高い。スタジアムダンサーも巻き髪系でゴージャス感たっぷりだ。一方のC大阪は代表選手がいない雑草集団、長居の下町をホームタウンとし、地元商店街のおっちゃん、おばちゃんに温かく見守られている感じで、スタジアムにも、チビッ子率が高い気がする。あくまでもイメージである、念のため。

 実際、どちらのチームも好きだ。G大阪のゲームに行くとお洒落な高層マンションに住んでいる自分になった気がするし、C大阪の試合に行くとお婆ちゃん家に里帰りしたような感覚になる。何か分かります? 分かりにくいか(笑)

 何はともあれ、G大阪は優勝当日にTVでも特番等あったし、マスコミにも多数露出していたので今回はC大阪の話をさせてもらおう。

 今回、終了直前に優勝を逃したC大阪は、5年前にも初優勝に王手をかけながら、最終節のホームの戦いに敗れ、土壇場で優勝を逃した苦い思い出を持つ。その悔しさを体感しているのが、元日本代表の森島と西沢の2人だけとなった。唯一の代表選手だった大久保が海外へと飛び立ち、代表選手不在の中、今回の躍進につなげたのは立派の一言だ。

 果たしてJリーグ発足後、代表選手のいないチームがここまで優勝争いに参戦したことがあっただろうか? ただ、今年の中盤以降、C大阪の戦いを観戦するジーコ監督の姿を何度かスタジアムで見かけることがあった。

 ジーコ監督が熱視線を送っていたのは、今年、C大阪の中で得点に絡み続けた、古橋達弥選手、25歳。新婚ほやほやで公私ともに充実している今年は8得点。
 静岡は磐田東−ホンダFCでJFLの得点王になり、Jリーガーの夢をつかんだ下克上な男だ。精度の高いキックでここの所、チームでもCK、FKといったプレースキッカーを務めることも多く、パス、シュートどちらも能力の高さを発揮するプレーヤーである。そして、上背はないが、無尽蔵の体力でピッチを所狭しと動き回る、まさにMrセレッソことモリシ(森島)のプレースタイルを彷彿させる男なのである。

 確かに今の日本代表にいない相手守備陣をかき回すキャラクターだけにジーコが目をつけるのもうなずける。古橋本人も「サッカーをしている限り、心のどこかで代表への意識は常にあった。今は正直言ってかなり意識しています。JFLの時も点を取り続けてJへの道が開けたし、Jでもチームが優勝争いをして、点に絡み続ければチャンスはあるはず。」と静かにきばを研ぐ。今一番大切にしている事は? と聞くと「とにかくシュートを打つこと。1試合4本は打ちたい。どれだけつないでも、いいパスを出しても、シュートを打たないと点は入りませんからね。」と返ってきた。

 もしかしたら今の日本代表に一番欠けているものかもしれない。Jリーグが始まって以来、JFLから這い上がってきた“雑草選手”の代表入りはいまだないはずである。(確かJ発足当初、ドーハ組でヤマハ<現磐田>からゴン中山と吉田がいた位では?) 最終節でまさかのドローに終わり悔し涙を流していた古橋選手、ゆずの「栄光の架け橋」を聞いて試合前に集中力を高める彼が、日本からドイツへと続くアーチを自分の力で架ける時が来た!

 天皇杯の戦いはまだ残っている! リーグ優勝を逃した思いを是非ぶつけて欲しい!!

小縣裕介(おがたゆうすけ/朝日放送アナウンサー)
 1971年生まれ、神戸出身。愛称「ガッチ」として、音楽番組からスポーツ中継を担当。小学4年から現在に至るまでサッカー歴20年超。朝日放送アナウンサーとしてアトランタ五輪、フランスW杯など各種世界大会を取材。特技は4000回を超えるリフティング。

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