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ニッカン蹴球倶楽部コラム

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2006年04月24日

気持ちを切り替えて:池田奈月

 もうすぐ5月だというのに神戸は寒い! 皆さんお元気ですか? こうも気温が定まらないと体調管理も大変ですよね。わたしも「最高の状態で放送に臨みたい」と日頃から気を付けてはいますが、極端な話、テレビの場合は??た目と声に大きな影響が無ければ何とかなる部分がありますし、ラジオだと高熱があろうが骨折しようが、のどに影響が無ければ後は精神力で乗り切ることができます。その分、精神面が「ガタガタ」だともう最悪ですけど。(笑)それがアスリートとなると何倍もの苦労があるはずです。

 12年ほど前に、東京・渋谷のデパートでラモス現東京V監督に遭遇したことがあります。当時学生だったわたしは握手してほしい一心で勇気を出して歩み寄り、「頑張ってください」と右手を差し出しました。ラモス監督も「ありがとう」と力強く手を握り返してくださったのですが、笑顔がどこかぎこちない…。プライベートを邪魔したのが良くなかったのかしら…と心配していると、その夜のニュースは「ケガのため、日本代表の練習を休んだラモスは…」と報じていました。デリカシーのない自分の振る舞いを反省したと同時に、あの“笑顔”は期待に応えられない今の自分をもどかしく思う気持ちと不安の表れだったのだろうと感じました。

 日本代表にも、そんな複雑な気持ちを胸に、リハビリに励むストライカーがいます。3月25日に右足第5中足骨(ちゅうそっこつ)を骨折した鹿島FW柳沢敦は、いま骨折からの復活を目指し黙々と復活への道を歩んでいます。5日に退院し、調整をペースアップ。21日には鹿嶋市内のグラウンドで、初めてランニングを行いました。初日から計1560メートルを走るなどスピードアップ。今週末にはダッシュを取り入れた調整を開始予定で、5月15日のW杯代表メンバー発表1週間前の5月7日のアウエー浦和戦での戦列復帰を目標に設定しています。医療スタッフも「走れる状態になったのは大きなステップ。来週末までにダッシュを始められると思う」と教えてくれました。本人は骨折後「W杯」の2文字を口にしませんが、強い気持ちは懸命にリハビリに励む姿から伝わってきます。ポジションとW杯前のけがから、12月に骨折したニューカッスルのイングランド代表FWオーウェン選手と重なります。こちらは今月13日にスパイクを履いたが、走るまでには至っていないとのこと。日英両ストライカーが演じる今後1カ月の復活劇が気になりますね。

 そんな中、W杯は無常にも刻一刻と近付いています。代表23人枠発表「運命の5・15」を前に、最後のアピールの場となるキリン杯に注目が集まります。ジーコ監督は「基本的に海外組の招集は考えていない」と明言していることから、残りわずかのドイツ行き切符をかけて、国内組のサバイバルが焦点となります。FW陣はもちろんですが、例えばエクアドル戦前の合宿で離脱したG大阪MF遠藤選手のように、どの位置でも正念場を迎える選手がいます。もちろん、海外組の合流も考えられ、例えばボルトン中田英選手の最終節は7日なので、日程的にはスコットランド戦は出場可能です。発表後、18〜24日に国内合宿を行い、26日にドイツ入り、30日ドイツ戦、6月4日マルタ戦を経て本番を迎える流れです。

 「ここで故障するわけにはいかない」「代表選考でアピールできるよう早い回復を」と焦る気持ちは自然です。でも、うまく選手が気持ちを入れ替え、日本代表がチームとして最高の状態で“その時”を迎えられますように。今思えばラモスさんも、気持ちを切り替えるために敢えて街に繰り出していたのかもしれませんね。

池田奈月(いけだなつき/フリーアナウンサー)
 10月1日生まれ。聖心女子大学文学部卒業。学生時代、友人に誘われ国立競技場へ国際試合を観に行くなどしてサッカーへの興味が芽生える。卒業後は(株)ラジオ関西にアナウンサーとして勤務。在職時にはヴィッセル神戸の担当取材も。現在フリーアナウンサー。長居スタジアム、万博記念競技場、神戸ウィングスタジアムへ定期的に足を運ぶ。現在、『金村義明の健康でいてまえ!』(ラジオ大阪1314Khz、毎週土曜14:00?)『奈月のHARBOR CAFE』(ラジオ関西558Khz、毎週水、木曜9:00~13:00)、『ニュース on ステージ』(奈良テレビ、毎週土曜21:00~22:00)に出演中。

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