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ニッカン蹴球倶楽部コラム

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2006年05月26日

W杯は23人で戦うわけではない:角澤照治

 いよいよW杯目前、選手たちは決戦の地ドイツへと旅立ちました。少し前の話題になってしまいますが、代表発表の日(15日)に思ったことを書きます。

 日本にとってW杯は3回目。98年はカズさん、北沢さんの落選、02年は中村俊輔選手の落選と、代表発表で数々のドラマがありました。今回も23人の名前が読まれましたが、直後の会見で俊輔選手が発したひと言が印象に残りました。「落選した選手のことを考えれば、一瞬だって気の抜けたプレーをすることはできない」。私はこの言葉にグッと来ました。

 思い返せば4年前、失意の中で気丈にマスコミ対応してくれた俊輔選手。その後、欧州で成長した彼だからこそ言える、力強い言葉だと感じました。今回、代表発表の後、くしくも同じ光景が見られました。改めてここに書くまでもなく、選から漏れた久保竜彦選手のことです。「今まで一緒に頑張ってきた仲間だから頑張って欲しい」。まさかの落選の後、しっかり胸の思いを言葉にしてくれた久保選手を、私はただ見守るしかありませんでした。

 今、日本代表がとても頼もしく思います。俊輔選手は選ばれなかった選手を思い10番を付けてピッチに立ちます。そして選ばれなかった選手も代表を思いやっています。

 極端に言えば、W杯は23人だけで戦うわけではありません。これまで日本代表に名を連ね戦った多くの選手たち、そして代表を目指して戦った全ての選手たちが日本代表を支えています。また、サポーターも同様に、誰もがチケットを持ってスタジアムに入れるわけではありません。多くのサポーターが遠く日本の地から代表にエールを送ります。日本代表は多くの人の熱い思いで支えられています。

 私事で恐縮ですが、6月18日ドイツ・ニュルンベルクで日本-クロアチア戦の実況を担当することになりました。すべての選手の思い、すべてのサポーターの思いを胸に、当日はまっさらな思いで実況をお届けしたいと思います。

角澤照治(かくざわてるじ/テレビ朝日アナウンサー)
 1971年(昭46年)3月11日、東京都生まれ。聖光学院−慶大を経て93年、テレビ朝日入社。アナウンサーとしてスポーツ実況のほか「報道ステーション」「やべっちFC」などを担当。

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