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ニッカン蹴球倶楽部コラム

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2006年06月 2日

「高原のW杯」という予感:池田奈月

 6月に入り雨の季節が近付いてきましたが、私たちの心の中は梅雨どころかもう夏の高気圧が張り出してきたようです☆W杯開幕を10日後に控えての国際親善試合で、日本は地元ドイツ相手に引けをとらない戦いぶりを見せてくれました。特にFW高原直泰が2得点。これまでジーコジャパンの得点合計109点のうち、FWによるものは半分以下の51点でしたが、底力を見せてくれました。

 ドイツ戦2日前の28日、昨年5月以来の選手全員参加ミーティングを行った結果、チームとして1つの方向性を見出しましたが、そのきっかけを与えた選手こそ高原でした。ドイツでプレーする経験から「日本の最大の武器は組織力」と実感、合宿に入る前から「守備の約束事に関して土台さえ出来ていない。遠慮するばかりでなく、国内組・欧州組の垣根を取り払って“意見をぶつけ合う”機会を作らなければ」と考えていたのだそうです。28日の紅白戦後、「もっとラインを高く上げて欲しい」と守備陣へ苦言し、その夜の激論につながりました。

・ボールを奪われた場合は、ラインを上げて高い位置で守備を行う。
・全体を出来るだけコンパクトに保つ。

 高原が自ら一石を投じたことで選手が本音でぶつかり合い、チームとしてのコンセプトがまとまりました。ドイツ戦の試合直前のインタビューでは高原自身がそのコンセプトを口にしています。日本代表が伸び伸び生き生きしているように映ったのは、確かなコンセプトに加え、互いへの厚い信頼とチームがひとつになっているという自信が生まれたからではないかと思います。

 高原の2ゴールは世界をも驚かせました。イタリアのテレビ局は1点目のシーンを「きれいな、素晴らしいメスさばきのような攻撃」と絶賛。来季から所属するフランクフルトの公式サイトでも、かつてハンブルガーSV時代に「チャンスキラー」と呼ばれていたことを紹介した上で「もうその汚名は返上した」と期待。本大会開幕前にその名を記憶に刻みました。

 様々な苦難を乗り越えた高原の言葉に強い決意がにじみます。「人の気持ちがわかるようになった」。「4年前からでなく、その前からずっと頑張ってきた」。そして「W杯だけに集中して全てをそこにぶつける。自分のサッカー人生の全てをかけて…」。

 ドイツ大会は「高原のW杯」-。期待を持って、私はそう、予感します。

池田奈月(いけだなつき/フリーアナウンサー)
 10月1日生まれ。聖心女子大学文学部卒業。学生時代、友人に誘われ国立競技場へ国際試合を観に行くなどしてサッカーへの興味が芽生える。卒業後は(株)ラジオ関西にアナウンサーとして勤務。在職時にはヴィッセル神戸の担当取材も。現在フリーアナウンサー。長居スタジアム、万博記念競技場、神戸ウィングスタジアムへ定期的に足を運ぶ。現在、『金村義明の健康でいてまえ!』(ラジオ大阪1314Khz、毎週土曜14:00?)『奈月のHARBOR CAFE』(ラジオ関西558Khz、毎週水、木曜9:00~13:00)、『ニュース on ステージ』(奈良テレビ、毎週土曜21:00~22:00)に出演中。

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