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荻島弘一コラム

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2006年06月16日

ベテラン、若手融合国は強く美しい…日本は!?

<1次リーグ:チュニジア2-2サウジアラビア>◇14日◇H組◇ミュンヘン

 アルジャバーの姿がテレビに映し出された瞬間、懐かしいものがこみ上げてきた。92年に代表デビューして足かけ15年、サウジアラビアのFWには、いつもアルジャバーがいた。登場して、すぐに逆転ゴール。仲間の祝福を受ける33歳の目は、確かに潤んでいた。

 交代したのは、同点ゴールを決めた23歳のFWアルカフタニだった。印象的だったのは、交代直前にゲームキャプテンのDFスリマニに呼ばれ、アルジャバーに渡すようにキャプテンマークを託されたことだ。黄色いマークを左腕に巻いた33歳のベテランFWは、選手全員の「頼みます」という願いにゴールで応えた。

 ベテランと若手の融合、チームが力を発揮するためには、大切な条件だ。ベテランが引っ張り、若手が力を出す。若手はベテランから学び、ベテランは若手に刺激を受ける。そういうチームこそ強い。ドイツの決勝ゴールは、代表経験もなく招集された22歳のMFオドンコルのクロスを、限界もささやかれた33歳のFWノイビルが決めたもの。年齢も違えば立場も違う、だからこそチームになる。

 日本の最年長はGK土肥で32歳、最年少は24歳のDF茂庭。ほとんどの選手は20代後半で、極論すればベテランも若手もいない。年齢差が8歳しかないのは異常。日本以外に最年長と最年少の差が10以下の国などないし、チュニジアは21歳も年齢差がある。「これまで歴史を作ってきた選手」と「これから歴史をつくっていく選手」が一緒に戦うことは、その国のサッカーにとって貴重。W杯で歴史は継承されていく。

 日本は、小野や稲本、高原ら99年ワールドユース準優勝組が長く代表を支えてきた。確かに、同じ世代で戦い続けることはアドバンテージになる。しかし、ベテランも若手も不在の日本代表の今後は、正直言って心配にもなる。39歳のカズの左クロスを21歳の平山が頭で決める-。アルジャバーの涙を見て、そんなW杯でのシーンを想像した。

荻島弘一(おぎしま・ひろかず)
 84年入社。スポーツ部でサッカー、五輪などを担当した後、96年からスポーツ部デスク。98〜00年は日刊スポーツ出版社編集長。東京都出身。44歳。

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