2006年06月19日
ブラジル戦で最高の日本を見せてほしい
<1次リーグ:日本0-0クロアチア>◇18日◇F組◇ニュルンベルク
力が抜けた。スコアレスドロー。GK川口がPKを止めた。相手のミスにも助けられて、ゴールこそ割らせなかった。しかし、チャンスを生かすことはできずに無得点に終わった。両国にとって、痛い引き分け。どちらの選手も、試合後は悔しそうな顔だった。
勝てなかった原因は、1つではない。ただ、はっきりと言えるのは、相手の方が力が上だったということ。体力的にも相手に比べて大きなアドバンテージはなかった。テレビの前で、何度「あ~」とため息をついたことか。何度「何だよ~」と机をたたいたことか。
数字の上では可能性が残っているとはいえ、現実的には1次リーグ突破は難しい。仮に最終戦でブラジルに勝っても、オーストラリア-クロアチア戦の結果によっては敗退が決まる。もちろん、可能性がある限り選手は頑張るだろう。サポーターも声援を送る。テレビや新聞も「最後まであきらめるな」だ。内心は「無理だ」と思いながらも。
怒られるかもしれないけれど、もう1次リーグ突破などどうでもいい。それよりも、ブラジル戦で最高の日本を見せてほしい。ジーコ監督は「世界を驚かせたい」と言った。確かに優勝するなど好成績を残せば、世界は驚く。ただ、驚かせる方法は、ほかにもある。可能性がなくても最後まで戦い、最高の内容を見せること。それが、ブラジル相手ならば、勝ち負けなどには関係なく世界は驚く。
昨年のコンフェデ杯のブラジル戦や、W杯前のドイツ戦など、日本は格上のチーム相手には素晴らしいサッカーを見せている。相手に守られると、それを崩すすべはないが、相手が攻めてきてくれれば、見せ場はある。たとえ決勝トーナメントに進めなくても、W杯の大舞台でブラジル相手に内容のある試合ができれば、サポーターも納得する。かつてのオランダ代表のエース、クライフは「勝つときは汚くてもいいが、負けるときは美しく」と言った。「サムライ」たちに、そういう試合をしてほしい。
- 荻島弘一(おぎしま・ひろかず)
- 84年入社。スポーツ部でサッカー、五輪などを担当した後、96年からスポーツ部デスク。98〜00年は日刊スポーツ出版社編集長。東京都出身。44歳。


