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荻島弘一コラム

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2006年06月26日

45歳の英雄はスタンドで輝く

 テレビで見るW杯の楽しみの1つに、試合の合間に時々流れるスタンドの映像がある。FIFAのお偉いさんや、過去のスーパースター。政治家や俳優、歌手などの有名人が登場することも珍しくない。中でも「出演」が多いのが、アルゼンチンのマラドーナだ。

 45歳になった英雄は、スタンドでも見せてくれる。ゴールシーンでは跳び上がって手にしたマフラーを振り、シートの上に立って娘と抱き合う。感情をそのまま表に出すのは、選手時代と変わっていない。やっぱり、W杯には、なくてはならない存在なのだろう。

 82年大会でデビューし、94年までの4大会に出場した。86年大会は優勝で「マラドーナの大会」と言われているが、準優勝だった90年大会もマラドーナが主役だった。開幕戦でカメルーンに敗れながら、決勝トーナメント1回戦で優勝候補筆頭と言われたブラジルに勝ち、準決勝では地元のイタリアも沈めた。「マラドーナと10人の仲間たち」のチームは、下馬評を覆し続けて決勝まで進んだ。

 試合以外でも、主役だった。82年のブラジル戦では相手選手に跳び蹴りして退場、86年は手を使ってゴールしたし、90年は弟ラウルが無免許運転で捕まり、警官と取っ組み合いの大立ち回り。94年はついに、禁止薬物使用で大会から追放処分になった。大会ごとに素晴らしいプレーを見せ、さらに騒ぎも起こした。いつの間にか「W杯=マラドーナ」になった。

 マラドーナは86、90年と2大会連続で決勝を戦っている。その相手がドイツ。86年大会は3-2で勝ったが、90年大会は逆に0-1で敗れている。W杯の舞台でアルゼンチンがドイツと対戦するのは、その90年大会の決勝以来。20世紀のサッカー界最大のスターは、どんな思いでスタンドに座るのか。どんな表情をするのか。準々決勝の好カードでは、スタンドの元英雄を見るのも楽しみだ。

荻島弘一(おぎしま・ひろかず)
 84年入社。スポーツ部でサッカー、五輪などを担当した後、96年からスポーツ部デスク。98〜00年は日刊スポーツ出版社編集長。東京都出身。44歳。

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