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荻島弘一コラム

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2006年07月 2日

精神力&体力&正確さ…運だけじゃない

<準々決勝:ドイツ1-1(PK4-2)アルゼンチン>◇30日◇ベルリン

 W杯と言えば、PK戦のドラマはつきものだ。82年大会の西ドイツ-フランス戦に始まって、この日のドイツ-アルゼンチン戦まで18試合。86年大会準々決勝のジーコとプラティニの明暗、90年大会のアルゼンチンの「怪進撃」、94年大会の決勝のR・バッジオの失敗。そのたびに世界中に歓喜と悲鳴が沸き起こった。

 「選手がかわいそう」という意見は根強い。「運だけで試合を決するべきではない」という声もある。確かに、試合内容とは関係なく「勝敗」が決するという意味では残酷だ。しかし、PK戦は決して「運」だけではない。明らかに強いチームと弱いチームがあるからだ。ドイツはこの日で4戦全勝。「PK戦なら勝てる」は全選手、いや全国民の気持ちだっただろう。

 「ゲルマン魂」に例えられる強い精神力が、PK戦に強い理由だとされる。しかし、もちろんそれだけではない。この日を含めて4回のPK戦で18人が蹴り、17人が成功している。唯一失敗した82年大会準決勝フランス戦のシュティーリケも、相手GKに止められたもの。18人全員がゴール枠内に蹴っているのだ。

 プラティニ、ストイコビッチ、R・バッジオら世界的なスーパースターが枠を外している。PK戦過去3戦全敗のイタリアは、15人が蹴って8人しか決めていない。ドイツに負けるまで3戦全勝だったアルゼンチンも、過去14人が蹴って3人失敗。ドイツのキックの正確さは驚異的だ。ちなみに、ドイツは試合中に得たPKも、W杯では過去10回すべて決めている。

 「決めて当たり前」のPKは、確かにキッカーの方にプレッシャーがかかる。延長を含め120分という激闘の直後だから、体力的にもギリギリの状態だろう。精神力、体力はもちろん必要。その上で、正確で早いキックを蹴ることができるかどうか。その絶対の自信があるからこそ、ドイツはPK戦に強い。

荻島弘一(おぎしま・ひろかず)
 84年入社。スポーツ部でサッカー、五輪などを担当した後、96年からスポーツ部デスク。98〜00年は日刊スポーツ出版社編集長。東京都出身。44歳。

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