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荻島弘一コラム

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2006年07月 3日

ジンクスにも破れたカナリア

 W杯優勝には、いくつかジンクスがある。(1)欧州の大会では南米が、欧州以外の大会では欧州が優勝できない(2)前年の欧州最優秀選手がいる国は優勝できない(3)優勝候補は勝てない。今回も、その通りにブラジルが負けた。史上最強とまで言われながらフランスの前に何もできずに大会を去った。0-1という点差以上の完敗だった。

 欧州の大会で優勝した唯一の南米チームは、ブラジルだ。58年のスウェーデン大会、W杯デビューしたペレの活躍で頂点に立った。しかし、それ以外は1度も優勝していない。90年にはアルゼンチンが、98年にはブラジルが決勝まで駒を進めたが、いずれも敗れた。南米選手の多くが欧州でプレーする今でも、やはりジンクスは生きていた。

 昨年の欧州最優秀選手はロナウジーニョ。W杯の前年に受賞した過去12人は、いずれもW杯で優勝していない。01年に受賞したイングランドのオーウェンは8強止まり。97年のロナウド(ブラジル)、93年のR・バッジオ(イタリア)も準優勝に終わった。「呪い」に挑んだロナウジーニョだったが、結局は13人目の犠牲者となってしまった。

 優勝候補筆頭が勝てないというジンクスも破れなかった。今大会は過去5回優勝したブラジル代表と比べても「最強」と言われた。しかし、強さを見せないままに敗退した。ベスト4に残ったのは、大会前の評価は低かったドイツ、フランスなど。「史上最強」のはずだったイングランドも、ポルトガルに敗れた。

 過去17大会で13敗しかしていないブラジルだからこそ、敗戦はW杯の歴史にもなる。82年のイタリア戦、90年のアルゼンチン戦。今回のフランス戦は完敗だったが、圧倒的に攻めながら一発に泣いて敗退、という方がブラジルの「負け方」だ。ブラジルがどこで、どう負けるかは、W杯の楽しみの1つでもある。次に王国が負けるのは4年後か、それとも8年後か。

荻島弘一(おぎしま・ひろかず)
 84年入社。スポーツ部でサッカー、五輪などを担当した後、96年からスポーツ部デスク。98〜00年は日刊スポーツ出版社編集長。東京都出身。44歳。

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