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荻島弘一コラム

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2006年07月 5日

ジダンで一丸、日本は…

 フランスの将軍ジダンのプレーが楽しい。W杯開幕前に今大会限りの引退を表明した。「ジダンのためにチームが1つになる」という前向きな声とともに「余計なプレッシャーでチームはバラバラになる」というネガティブな意見もあった。実際に1次リーグはひどかった。スイスと韓国に引き分け。トーゴに勝って決勝トーナメントに進んだが、ギリギリだった。

 ところが、決勝トーナメントでは見違えるチームとなった。1回戦でスペインに勝つと、準々決勝では優勝候補の筆頭だったブラジルを圧倒した。スコアこそ1-0だったが、フランスのいい面ばかりが目立った。ジダンの復調で、チーム力が急激に上がったのだ。

 大会序盤は、ジダンがプレーすることについて、チーム内でも懐疑的な声があったのも事実だ。しかし、ここにきて選手たちは「ジダンのために」で一丸となっている。ジダンの存在そのものが、チームのモチベーションになっている。将軍らしい求心力があったからこそ、引退宣言がいい方に向かったともいえる。

 結局は、ジダンがチーム内でどういう立場であったかだと思う。間違いなく、戦力的にはフランスの中心だ。しかし、それ以上に重要だったのは、チームを1つにする力があったかどうかだろう。それが、ジダンにはあった。プレーの面はもちろんだが、精神面でもリーダーとしてチームを鼓舞し続けることができたからこそ、ブラジルという強豪を倒すことができた。

 引退が迫るジダンを見ていると、どうしても中田と比較したくなる。中田が大会前に現役引退を発表していたら、どうだっただろうか。選手たちは「中田のために」と一丸になれただろうか。ブラジル戦後、ピッチに横たわった中田の元に歩み寄ったのは、宮本主将だけだった。ほかの選手は足も止めなかった。その寂しい光景を見て、中田はジダンにはなれなかっただろうなと思う。

荻島弘一(おぎしま・ひろかず)
 84年入社。スポーツ部でサッカー、五輪などを担当した後、96年からスポーツ部デスク。98〜00年は日刊スポーツ出版社編集長。東京都出身。44歳。

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