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荻島弘一コラム

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2006年07月 6日

イタリア成熟した「したたかさ」

<準決勝:イタリア2-0ドイツ>◇4日◇ドルトムント

 「したたか」。イタリア代表を表すのによく使う言葉だが、この言葉通りの決勝進出だった。PK戦突入前の決勝点、イタリアのピルロは相手DFを引きつけてフリーのグロッソにパスを出した。ここにも「したたかさ」が見えていた。

 ピルロは、直前に同じ位置から惜しいシュートを放っている。当然のように相手は意識するからシュートを打たせまいと当たりに来る。「打つぞ、打つぞ」という臭いをプンプンさせてノールックパスだった。エリア内の右で受けたのは左サイドバックのグロッソ。CKで攻め上がり、そのまま逆サイドで待っていた。まるで、そこならフリーになれることを知っていたような位置どりだった。

 若い選手が中心のドイツも感動的に戦った。それでも、最後はイタリアの成熟された「したたかさ」に敗れた。ドイツ選手は自分たちの持ち味通り、忠実に仕事をこなした。ところが、それでは勝てなかった。

 イタリアの右サイドを守る29歳のザンブロッタは、ドイツの左を受け持つ22歳のラームを自由にしなかった。カンナバロとマテラッツィの32歳DFコンビは、21歳のFWポドルスキを子供扱いした。試合全体は互角だったかもしれないが、局面では差があった。地元ドイツは子供だった。

 出場選手の平均年齢は、ドイツが26・4歳で、イタリアは28・5歳。GKを除いて、試合終盤にピッチに立っていた10人の平均はドイツの24・8歳に対し、イタリアは28・5歳と4歳近くも上だった。年をとっていればいいというわけではないが、試合運びや駆け引きは、経験が大きい。

 イタリアの強さは見えにくい。ブラジルほど華麗な個人技はないし、ドイツほど圧倒的な高さやパワーがあるわけでもない。それでも、イタリアは強い。70年大会からの決勝進出12年周期も、強い代表を見て育った選手が、成熟した「したたかさ」を手にするまで時間がかかるからかも知れない。準優勝-優勝-準優勝ときた。次は優勝の番だ。

荻島弘一(おぎしま・ひろかず)
 84年入社。スポーツ部でサッカー、五輪などを担当した後、96年からスポーツ部デスク。98〜00年は日刊スポーツ出版社編集長。東京都出身。44歳。

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