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荻島弘一コラム

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2006年07月 8日

It's Only Football (But I Like It)

 還暦をすぎても、なおロックなローリング・ストーンズ。24年前、W杯スペイン大会の時は30代だったミック・ジャガーは、62歳になった。高音にかつての切れはない。数年前の日本公演で聞いた「悲しみのアンジー」は、痛々しかった。それでも、いまだに歌っていること自体が驚異だ。

 年齢を重ねることを受け入れず、あくまでもあらがおうとしている。そんなミックの姿が、ジダンとダブる。1度は代表から引退しながら、W杯予選で復帰。最後の舞台となるW杯で、チームを決勝まで導いた。存在感は抜群だし、今大会のプレーはスーパーだ。とはいっても、終盤ガス欠し、ドリブルの切れを欠く場面もある。すごすぎた全盛期と比べるから、どうしても衰えが目に付くことがある。

 今大会には、引退を撤回して参加した選手が多い。ポルトガルのフィーゴや、チェコのネドベド。トリニダード・トバゴのラタピーは37歳で復帰した。素晴らしいプレーを見せた選手もいるし、思うように動けなかった選手もいる。それでも、1度は一線から退きながら再び大舞台に挑戦する姿は、多くのファンの共感を呼ぶ。そこに自らの人生をダブらせるからこそ、声援せずにはいられない。

 高音が出なくなれば、歌うことをやめればいい。全盛期のプレーができなくなれば、引退すればいい。そういう美学もある。だが、彼らはW杯を選んだ。ジダンやフィーゴらには前回大会の悔しさがある。02年に燃え尽きることができなかったから「もう1度」と思ったのだろうか。根底にはW杯が好き、サッカーが好きという思いがある。

 39歳になるカズは、横浜FCでプレーを続ける。スピードは衰えた。連戦は苦しい。舞台はJ2だ。それでも、ボールを追い、ゴールを目指す姿勢は変わらない。今日8日に臨む柏との首位決戦を前に「勝ちたいね」と話した。W杯に戻ってきた選手たち、そしてカズ。彼らはきっと、声をそろえて言うに違いない。

 「It's Only Football (But I Like It)」

荻島弘一(おぎしま・ひろかず)
 84年入社。スポーツ部でサッカー、五輪などを担当した後、96年からスポーツ部デスク。98〜00年は日刊スポーツ出版社編集長。東京都出身。44歳。

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