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荻島弘一コラム

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2006年07月10日

3決で魅せたドイツらしさ

<3位決定戦:ドイツ3-1ポルトガル>◇8日◇シュツットガルト

 キックオフ前のベンチの様子は、これまでの試合と明らかに違っていた。ドイツのベンチでバラックが笑顔を見せれば、ポルトガルのベンチではフィーゴが穏やかな表情を見せていた。3位決定戦。試合前に抱き合ったクリンスマン監督とフェリペ監督は「楽しくやろうよ」と、ささやき合っているようにも見えた。

 準決勝で敗れたチーム同士が対戦する。勝っても3位、負けてもベスト4。メダルを獲得するかどうかで大違いの五輪なら、意味もある。しかし、W杯では大きな意味を持たない。敗れたフェリペ監督は、はっきりと「3位決定戦は好きではない」と言った。

 もっとも、3決には3決なりの楽しみはある。ドイツは地元で、ポルトガルは66年大会以来の3位狙い。それなりの、動機付けはあった。ただ「何が何でも勝利を」という執着心が薄いだけだ。だから「消化試合でつまらない」になるのだけれど、逆に考えれば勝利に対する執着心が薄いからこそ面白いともいえる。

 最近は、勝つことを優先させすぎて、つまらない試合も増えた。今大会の決勝トーナメントでも守備偏重の堅い試合が多い。確かに緊迫感はあるけれど、サッカーの「面白さ」という点ではどうか。そういう試合を毎日見ているからこそ、あまり勝負に固執しない3位決定戦は楽しめる。

 もっとも、結果的にはドイツが「らしく」勝った。これまでと同じ戦い方で、得点王候補のクローゼまで途中で下げた。現実的な戦い方は相変わらず。最後に勝つのも相変わらずだ。3位決定戦にもかかわらず、ドイツはあくまでも勝利を求めた。ドイツは最後までドイツらしかったのだ。

 1次リーグ初戦のドイツはポジションを入れ替えて攻めまくり、守備が乱れ、およそドイツらしくなかった。ところが、1試合ずつ変身。最後は、やっぱりドイツだった。ブラジルと並ぶW杯の顔の「らしさ」が見られただけでも、3位決定戦は面白かった。

荻島弘一(おぎしま・ひろかず)
 84年入社。スポーツ部でサッカー、五輪などを担当した後、96年からスポーツ部デスク。98〜00年は日刊スポーツ出版社編集長。東京都出身。44歳。

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