2005年12月 1日
フランスに栄光再び、準V韓国の大胆予想
いよいよあと7カ月に迫った、06年ドイツW杯の開幕。12月9日には、ライプチヒで盛大にファイナルドロー(1次リーグの組み分け抽選)が催される。
ジーコジャパンの命運を大きく左右する抽選の方法は、出場32チームを過去の実績・地域などから第1-第4シードに分け、A-J組の8グループに振り分けるもの。一般的なシード予想は、こんなところだ。
第1シード候補
ドイツ、ブラジル、アルゼンチン、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、メキシコ。
第2シード候補
イングランド、ポルトガル、チェコ、スウェーデン、クロアチア、ポーランド、ウクライナ、セルビア・モンテネグロ、スイス。
第3シード候補
日本、韓国、イラン、サウジアラビア、アメリカ、コスタリカ、トリニダード・トバゴ。
第4シード候補
トーゴ、ガーナ、コートジボワール、アンゴラ、チュニジア、エクアドル、パラグアイ、オーストラリア。
日本の1次リーグ突破のポイントは、ずばり、第2シードでどの国が入ってくるかだろう。イングランド、ポルトガル、チェコあたりだと「暗」、スイス、ポーランドだと「明」といったところかな・・・なーんて感じで、世も考え始めているであろう昨今、あえてやります。「W杯優勝国予想」。
ファイナルドローなど待ちません。
どこの媒体よりもはやく、現地発のデータと妄想を織り交ぜながらばちっと言い当て、新連載の第1回を飾ります!!
壮絶なプレーオフを終え、本大会出場32カ国が出揃ったのが11月17日。ここドイツでも、試合結果が大々的に翌日の紙面を飾り、32カ国の詳細なデータが紹介された。
さーっと各紙をナナメ読みする限りでは、この日のドイツ国内最大の関心事は、スイス-トルコの結果だった。それに影響を受けてかどうか、大衆紙「Bild(ビルト)」の出場国データにこんな数値が入っていた。
出場各国のドイツ人在住数(単位:人)
31位トリニダードトバコ 438
30位コスタリカ 712
29位パラグアイ 955
28位サウジアラビア 995
27位コートジボアール 2,744
26位エクアドル 4,330
25位アルゼンチン 4,725
24位メキシコ 7,092
23位アンゴラ 7,591
22位オーストラリア 7,879
21位トーゴ 12,099
20位スウェーデン 16,172
19位ガーナ 20,636
18位韓国 20,658
17位チュニジア 22,429
16位ブラジル 27,176
15位日本 27,550
14位チェコ 30,301
13位スイス 35,441
12位イラン 65,187
11位イングランド 95,909
おお、日本は15位だ。真ん中だな。「在住」の定義は何? なんてツッコミはご勘弁を。続いて2位から9位、行ってみよう。
10位 米国 96,642
9位 フランス 100,464
8位 スペイン 108,276
7位 オランダ 114,087
6位 ポルトガル 116,730
5位 セルビア・モンテネグロ 125,765
4位 ウクライナ 128,110
3位 クロアチア 229,172
2位 ポーランド 292,109
データを最後まで見ると、トルコ-スイスのプレーオフの結果の重大さが分かる。
1位 イタリア 548,194
で、出場を逃したトルコは約200万人と言われている!! W杯に出場しない国を入れた全体でもNO・1。トルコの敗退は「第2のホストカントリー」の敗退でもあった。あわせて言及すべきは、アジア1次予選で中国が敗退している点。在住人数のランキングは不明だが、13億人市場の国が出場すれば、大会に大きな影響を及ぼしたことは間違いない。
ついでに調べたのだが、2003年に中国紙が「(遠くない将来に)ドイツを訪れるアジア各国の観光客数で、中国が日本を抜いてNO・1になるだろう」と報じている。また、朝日新聞の11月19日付け紙面は「ドイツでは留学生数が総人口の10・1%に達する」と報じ、「(中略)中国人留学生が留学生全体の8・9%を占め、1990年の2倍に達した」としている。
つまり、大会はドイツと強い関係にあるトルコ、中国という双頭の喪失感を内包しながら、しっとりと歩みを進めることになるのだ。
これらデータを分析した結果、ずばり優勝は、フランスと見る。中国、トルコと並ぶ「世界3大料理」の看板を守るのである。
なーんちゃって。
ここ数年のメジャー大会では、意外なチームの優勝が相次いでいる。
02年W杯・・・ブラジル(南米予選で大苦戦を強いられ、下馬評が低かった)。
04年欧州CL・・・FCポルト。
04年欧州選手権・・・ギリシャ。
05年欧州CL・・・リバプール。
この流れから言うと、大会では大きなサプライズが起きるはず。条件は、地力がありながらノーマークであるということ。
フランスは、これを兼ね備える上に、アンリという決定的なカードを持つ。ジダンはより頭を光らせるだろうし、ピレスは新しいPKの蹴り方をマスターして代表に復帰する。サポーターにジュテームを告げ、相手をアンニュイとカタストロフに陥れるやつを。
このこじつけ、ちょっと苦しい。はい、次行きましょう。
準優勝は、ずばり・・・韓国になると思う。今年10月に就任したオランダ人新監督ディック・アドフォカートの評判がすこぶる良い。02年大会経験者、欧州組などの垣根を取り払い、自由競争を組み入れた結果、チームは新陳代謝に成功しつつある。就任後の3試合の成績は、2勝1分け。11月には欧州の強豪セルビア・モンテネグロに2-0の勝利を挙げている。伝家の宝刀サイドアタックをデフォルメする3-4-3は健在で、新監督は4-3-3のオプションも加えようと試みる。前回大会を経験した洪明甫などをコーチ陣に加えるなど、バックアップ体制も磐石。前回大会を上回る成績も十分に狙える・・・なーんてのは言い過ぎかな?
この予想には、個人的な願望が多分に含まれている。以下は、筆者の独り言である。
前回02年日韓大会のベスト4には、本当に感動したなーーーー。毎試合、キックオフ前にサポーターが大きな人文字を出してさぁ。んで、準決勝のドイツ戦の前にはこんなのが出たんだよ。
「夢★は叶う」
“決勝戦まで行こうぜー”ってことだったんだと思う。韓国は準決勝に行ったことで、夢が叶ってたんじゃない? まぁ、あの時は細かいことなんてどうでもよかったなー。大騒ぎでさー。歌って踊って、ヤンヤンヤンって感じ。オレも、アジアの人間として誇らしく思った。
だから、韓国には次の大会ではもう1つ勝ってもらって、準優勝して欲しいと思ってる。そして2010年南アフリカ大会では見事に優勝するんだ。オレ、自分がおじいちゃんになったある冬の朝に、こんな記事を読むことを想像している。
日刊スポーツ 2041年12月1日付紙面より。
韓国サッカー協会は11月30日、強化部門に「ニュー韓国・エンジョイフットボール委員会」を設定すると発表した。
韓国は、米国とロシアの2カ国共同で開催される第27回W杯アジア1次予選(台湾、モンゴル、マレーシアと同組)で、マレーシアの後じんを拝し、敗退を喫した。かつて世界一にも輝いた強豪は、前回大会最終予選で日本、中国、オーストラリア、イラン相手に全敗を喫するなど、8大会連続で本大会出場を逃している。会見に臨んだカン・ジョンファン委員長は、「聖域」とも言われた過去の栄光にメスを入れ、再建を誓った。
「今、国民はボールの蹴り方すら忘れてしまっている。02年W杯が間違いのはじまりでした。今世紀最初の大会で、我々は、『国家的事業を成功させる』という野心に満ちあふれた政治家と結託して様々な方策に取り組んだのです。その結果、何をやっても『どうせ、あの時ほどは上手く行かないだろう』というけん怠感が充満しはじめた。実はあの時点から、韓国サッカーの目的の喪失が始まっていた。それでも、06年、10年大会では大きな成功を収めた。02年大会から数年間は、スパルタ式の指導で、選手の尻を叩き続けることができたのです。それも限界になると、指導者と選手の溝は深まり、不良学生がかっ歩する荒れ果てた高校の廊下のような状態になってしまった。
われわれに必要なのは、プレーする真の喜びを知ることです。もう1度、ここから立ち返って、過去とは違う形での韓国サッカーの構築に取り組みたい」
現(うつつ)にならば、コリアンニュイかな。
なーんちゃって。
優勝はフランス、準優勝は韓国です。
ええ、自信を持って言いますとも。
- 吉崎エイジーニョ
- 本名吉崎英治。1974年生まれ。大阪外大朝鮮語科卒。フリーランスのサッカーライターとして「Number」「サッカーマガジン」などに執筆する。
2002年、日刊スポーツの入社試験を受け、最終面接で落ちた過去を持つ。だからこそ、オファーをくれたこのサイトのために頑張る。
2005年9月に渡独。W杯開催国で先乗り取材を続ける。個人ブログ: http://ameblo.jp/eijinho/


