2005年12月12日
日本一情けない1次リーグ突破予想
ブラジル・クロアチア・オーストラリア。
前回チャンピオン・欧州予選無敗突破国・主力のほとんどが欧州組という3カ国とぶつかる日本は、なかなかハードな組に入った。
フランス・スイス・トーゴと同組になった韓国では、抽選翌日、メディアの多くが「安ど」と報じていたから、なおさらそう感じる。
大会2連覇を狙うブラジルの力が、下馬評では頭ひとつ抜け出ている。日本はクロアチア、オーストラリアと争って、2位での1次リーグ突破を狙うことになるだろう。W杯が現行の32カ国の大会になって以来、2位で予選グループ突破した国の平均勝ち点は4・8125点。1勝2分けか1勝1分け1敗が生死の分かれ目となる、壮絶サバイバルがジーコジャパンを待ち構える。
なーんて、対戦国の顔触れ・対戦順が明らかになると、決勝トーナメント進出に向けた世の星勘定は一致しはじめる。
“まずは初戦。オーストラリア戦で、勝ち点3を取れ”
オーストラリアには、98年のアデレードでの親善試合以来、3連勝中と相性がいい。「事実上の初出場で、楽な相手だ」「いや、選手はほとんどが海外組だから侮れない」なんて予想が出回っている。今、このチームで分析すべきは、「フース・ヒディンクのチーム」という点だろう。
ここ2大会連続で、チームをベスト4に導いている名将ヒディンク。大会初戦では、こんな成績を残している。
98年フランス大会(オランダ代表)・・・0-0 ベルギー
02年日韓大会(韓国代表)・・・1-0 ポーランド
98年大会は、優勝候補を率いて無難なスタートを切った。02年大会では、今大会のオーストラリアと同じく、1次リーグのグループで3~4番手と見られた韓国を率いて、「初戦にオール・イン」に近い状態を経験している。
ヒディンクはおそらく、11月に予選突破したオーストラリア代表を1度、「分解」するだろう。この冬は綿密なフィジカルテストを基に、選手を体力的に厳しいところに追い込む。そして、春あたりから1度手綱を緩め、大会直前に一気にコンディションを上げていく。同時に、テストマッチの相手には強豪国を選び、選手に自信を植え付け、開幕戦を迎える。02年大会の準備でもそうやって成功を収めた。
さらに、日本の情報は韓国を通じてつつ抜けになる。現韓国代表コーチのピム・ファーベック、洪明甫は、前回大会でヒディンクとともに仕事をしたばかりでなく、日本でのキャリアも長い。
うーん・・・オーストラリアは侮れないのである。ジーコジャパン、厳しいぞ!!! もし勝てなかったら・・・かなりの窮地に追い込まれるだろう。ショックを引きずった状態で5日後にクロアチアと、1週間のうちにクロアチア、ブラジルから最低でも1勝しなくてはならない・・・・
なーんて、ご心配はなく。1次リーグの結果は、3試合を終えた時点の勝ち点で決まるのだ。
1次リーグ2位ライン「4・8125点」というのは平均点で、過去には勝ち点3で決勝トーナメントに勝ち進んだ国が存在する。
W杯が現行の32カ国出場になって以来、このもっとも情けない成績で1次リーグを突破したのは、98年大会のチリ。勝ち点3、得点4、失点4で2位に入り、グループBを突破した。同グループに入ったのは、イタリア、オーストリア、カメルーン。
1位で突破したイタリアが勝ち点7で、それ以下チリ3、オーストリア、カメルーンが2と続いた。
万が一、オーストラリア相手に取りこぼした(勝てなかった)時に考えよう。ジーコジャパンの「情けない・神頼み」1次リーグ突破シミュレーションは、こうだ。
◆初戦 --1998年6月11日-- イタリア2-2チリ カメルーン1-1オーストリア
--2006年6月12日、13日-- オーストラリア3-3日本 ブラジル1-0クロアチア
98年のチリは、「1位ぶっちぎり、それ以下だんごレース」の状態から、ハナ差で勝ち抜いた。今回もブラジルに首位を独走いただき、それ以下が混戦となれば幸いである。
重要なことは、オーストラリア相手には負けてはならないこと。当然、負けると勝ち点3を失うばかりでなく、相手に3を与えてしまうことになる。だんごレースに持ち込めなくなるので要注意だ。
同じ引き分けでも打ち合いがオモロイので3-3と予想したい。
理想的な展開は、開始直後にだだーっと3点取られて、80分くらいかけてじっくりと逆襲していく展開。89分くらいに、大黒様が同点ゴールを入れる展開がもっとも劇的でよろしい。
「あー、よく追いついた」という国民的ウハウハ・ハイテンション状態の持続が期待できるからである。
◆第2戦 --1998年6月17日-- チリ1-1オーストリア イタリア3-0カメルーン
--2006年6月18日-- 日本1-1クロアチア ブラジル2-0オーストラリア
日本はなんとか6日間でドローの痛手から回復し、クロアチア戦で粘りを見せなくてはならない。そして、再び勝てずとも、まだまだあきらめるのは早い。ブラジルの2連勝は堅いだろう。この時点で1次リーグ突破が確定する。第3戦の相手は日本。当然、望むのは・・・
◆第3戦 --1998年6月23日-- イタリア2-1オーストリア チリ1-1カメルーン
--2006年6月22日-- クロアチア1-1オーストラリア 日本0-0ブラジル
メディアは間違っても「ブラジル戦の勝ち方」なんて予想はしないように。ここまでで勝ち点6を稼いでいるブラジルは、1次リーグ突破を決めている。なんとか、お互いに華をもたせるべく、そーっと90分をしのぎましょう。間違って先制点など入れちゃったりしたら、もうジ・エンド。情けないけど、相手を本気にさせちゃいけない。すべてのプランがパーになる。ここまで来れば、勝ち点3でも決勝トーナメントに上がれるのだから。
注意すべきはセットプレー。どんなに劣勢の試合でも、ゴールの可能性が生まれる「飛び道具」になってしまう。この試合だけは、中村俊輔にはキッカーを辞退してもらいましょう。あと、怖いのは中沢祐二のヘディング。これも物理的に競り勝ってしまうと、ゴールにつながる可能性がある。思い切って、FKのキッカーを中沢にすべき。日本サッカーを思えばのことである。あとは、はジーコに神頼みだ。
でもって、1次リーグF組の最終結果は、こうなると予想する。
Fグループ 勝 分 負 得 失 勝点 ブラジル 2 1 0 2 0 7 日本 0 3 0 3 3 3 クロアチア 0 2 1 2 3 2 オーストラリア 0 2 1 3 5 2
1つも勝てなくても、決勝トーナメントには進める!!
ポジティブだかネガティブだか分からないこの予想のカギを握るのが、クロアチアの戦いぶり。他力本願の状況になってしまったら、この国が思いっきりコケるような作戦を考えなくてはならない。日本戦のチケットが手に入らなかったサポーターが大挙してクロアチアの試合会場を訪れ、ブーイングをするとか。思うに、今回の1次リーグでの対戦国で、一番情報が少ないのがクロアチアだろう。実は、今、そのクロアチアの首都ザグレブでこの原稿を書いています! 雑誌「Number」の取材で来ました!!
不気味な東欧の強豪をがっぽり取材して、折を見てレポートしていきます!!
- 吉崎エイジーニョ
- 本名吉崎英治。1974年生まれ。大阪外大朝鮮語科卒。フリーランスのサッカーライターとして「Number」「サッカーマガジン」などに執筆する。
2002年、日刊スポーツの入社試験を受け、最終面接で落ちた過去を持つ。だからこそ、オファーをくれたこのサイトのために頑張る。
2005年9月に渡独。W杯開催国で先乗り取材を続ける。個人ブログ: http://ameblo.jp/eijinho/


