セルビア・モンテネグロ監督の息子辞退
夢のW杯出場を捨て、家族愛を選んだ-。セルビア・モンテネグロのイリヤ・ペトコビッチ監督(60)の息子DFドゥシャン・ペトコビッチ(31=OFKベオグラード)が6日、突然の代表辞退を宣言した。故障のFWブチニッチの代役として自分を招集した父が、猛批判を浴びていることに耐えられなかったのが理由だ。故障でも監督との確執でもない、異例の辞退劇となった。同国協会は国際サッカー連盟(FIFA)に対し病気、故障以外で選手登録の変更が可能かどうかの確認作業に入るなど、ドタバタ劇に発展した。
栄光の舞台を捨ててまでも、父の負担を減らしたかった。ドゥシャンは「父である監督への批判に対し我慢できなくなった。迷惑をかけたくないから、チームに帯同しない」と代表辞退を宣言。合宿地のオーストリアからドイツ入りしたチームとは別に、1人だけ帰国の途についた。
この日朝、息子、父イリヤ、カラジッチ同国協会会長の3者会談で、結論が出た。30日に息子の代役招集を決めた瞬間から「恥さらし」などと猛批判を浴びせられ続けていた父は「息子を家に帰すのがベストだった。この試練に終止符を打った」と説明。チーム広報も「彼は代表チームを危険に陥れたくなかった」とコメントした。
代役招集決定から7日、FIFAが選手登録を承認してからわずか4日。つい前日の練習試合(オーストリア・カリンシア州選抜)で2点を挙げ「コネ選出」でないことを証明したばかりの息子は、チームを去った。カラジッチ会長は「辞退は最終決定だ。我々はすぐに代わりの選手を探さないといけない」と話すが、息子の後釜選びには大きな問題が立ちふさがる。
FIFAは登録変更の際に、病気や故障の診断書を大会初戦の24時間前までに提出することを義務付けているが、今回は予期せぬ精神的な問題。同国協会はFIFAに対し病気、故障以外の登録変更の可否を確認に入ったが、すんなり受け入れられるとは考えにくい。02年日韓大会では、監督と衝突したロビー・キーンが離脱したアイルランドが登録変更を申し出たものの、却下された事実もある。1次リーグ初戦オランダ戦(11日・ライプチヒ)まで残り5日。騒動は尾を引きそうな気配だ。
[2006年6月7日8時52分 紙面から]
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