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北朝鮮初のW杯中継、韓国に映像提供要請

 W杯は出場32カ国だけの大会ではない。北朝鮮が、初めてW杯を中継する。韓国政府にW杯映像の提供を要請し、週明けにも放送を開始する。今回は放送時間の問題などで録画放送になる見込みで、現在、韓国放送委員会が、放送権の販売権を持つスイスのインフロント社と協議を重ねている。世界200カ国以上で延べ400億人以上の視聴者をくぎ付けにする世界最大の祭典が、地球をサッカー一色に染める。

 世界の情報に閉鎖的な北朝鮮がW杯を放送する。4月末、政府のホットラインを利用し、韓国にW杯テレビ映像の提供を要請。来週早々には実現しそうだ。北朝鮮がW杯期間中に試合を中継するのは初めて。実務を担当している韓国放送委員会の企画管理室関係者は「放送権料の話がまだまとまっていないけれど、近日中にはクリアできると見込んでいる」と明かした。

 韓国は、国際サッカー連盟(FIFA)からアジアでの放送権を販売する権利を取得したスイスのインフロント社から、約20億円で全64試合の放送権を買った。ただ北朝鮮からは無料提供を要求されていることから、インフロント社と交渉している状況。映像の2次使用になるため、まだ同社から許可は得ていないが、交渉担当者は「韓半島(朝鮮半島)の平和は世界平和にもつながる。南北の和解ムードに水を差すような判断はしないはず」と自信を見せる。

 北朝鮮は過去3回、韓国から無料で映像をもらって放送している。03年大邱ユニバ、04年アテネ五輪、05年東アジアサッカー選手権だ。FIFAと並ぶスポーツの世界2大団体の国際オリンピック委員会(IOC)が無償で提供しただけに、FIFAが金を請求するのは難しい。しかも世界平和につながるという目的もはっきりしているため、断りにくい。

 技術的な問題はない。現在、朝鮮中央テレビが使用しているタイの衛星(タイコム)を使えば、韓国から映像を送ることができる。今回は時差の関係で、キックオフ時間が深夜になることが多く、生放送はしない予定。昨年のW杯最終予選では、10万人収容の金日成スタジアムが満員の観衆で埋まるなど、サッカーへの関心は高い。今大会は、北朝鮮国民もW杯をお茶の間で楽しめそうだ。

[2006年6月10日8時49分 紙面から]


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