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上川主審ナイスジャッジ、英BBCも絶賛

ポーランド対エクアドルの試合で主審を務める上川徹氏(AP)
ポーランド対エクアドルの試合で主審を務める上川徹氏(AP)

 日本人審判初の決勝トーナメント“進出”へ、2大会連続で大会に臨む上川徹主審(43)が無難なスタートを切った。ポーランド-エクアドル戦を裁き、日本の広嶋禎数(44)韓国の金大英(43)両副審とともに、好ジャッジを見せた。「決勝を吹きたい」という夢へ向け、まずは“1次リーグ突破”を目指す。

 倒れたエクアドルFWデルガドが、交錯したポーランドDFヨップが、両チームイレブンが、スタンドの観衆が一斉に見つめる。だが、上川主審の笛は鳴らなかった。首を振って、右手でデルガドに起き上がるように促した。後半17分のペナルティーエリア内で起こったシーンに、同主審は毅然(きぜん)と対応した。

 英国BBCのコメンテーターを務めるミック・マッカーシー氏(02年W杯アイルランド代表監督)は「素晴らしい判断だ。すごくよく見ていた。あれはファウルではない」とジャッジをたたえた。その上で「全体を通じていいレフェリングだ。うまく(反則をとらないで)流している」と賛辞も送った。

 開幕前日の8日に43歳になった上川主審にとってW杯は2回目。前回は日本での開幕戦となったアイルランド-カメルーン戦を担当した。試合後にマッカーシー監督から「こういう言い方は流儀ではないが、ジャッジには納得がいかない」と不満が上がっている。その言葉を裏付けるように、その後は指名がなく、わずか1試合だけの担当だった。立場は変わったとはいえ、同じマッカーシー氏から今度は合格点をもらった。

 4年間で経験を積んだだけでなく、今大会から日本人の広嶋、韓国人の金両副審との「セット」で審判団を形成できるようになったことも大きい。Jリーグやナビスコ杯で予行練習をこなしてきた。後半35分のエクアドルの2点目は、スルーパスを受けたカビエデスがオフサイドではないことを金副審が好ジャッジ。広嶋副審もオフサイドを的確に判断した。

 「夢は決勝戦の笛を吹くことです」と上川主審は話す。日本人審判は、決勝戦はおろか決勝トーナメントを担当したことさえない。主審を同一大会で2試合担当したこともない。それでも、同主審は「冗談でも何でもありません」と真顔で言う。広嶋副審も「自分たちがやってきたことを出せれば」と後押しする。

 開催国ドイツのビルト紙はジャッジに5点満点で3(1が最高点)、イタリア紙ガゼッタ・デロ・スポルトは10点満点で6・0(10が最高、0・5点刻み)といずれも平均点をつけた。「目立たない黒子であること」が審判の美徳であることを考えれば、平均点は最高の評価ともいえる。次の試合の指名があるかは分からないが、初の決勝トーナメント、そして夢の決勝戦へ向け、悪くないスタートを切った。

[2006年6月11日9時38分 紙面から]


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