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ベッカム限りなくV弾/B組

前半3分、FKがオウンゴールを誘い先制点となったベッカムは気合の表情
前半3分、FKがオウンゴールを誘い先制点となったベッカムは気合の表情

<1次リーグ:イングランド1-0パラグアイ>◇10日◇B組◇フランクフルト

 イングランドが、40年ぶりの世界王座奪回へスタートを切った。1次リーグ初戦でパラグアイと対戦し、前半3分にMFデビッド・ベッカム(31)のFKで相手のオウンゴールを誘って試合をリード。後半は暑さの影響でピンチを招く場面もあったが、1-0で逃げ切った。過去2大会は力を発揮し切れなかったベッカムが、3度目のW杯でサッカーの母国を頂点に導く。

 ベッカムの右足が、いきなりゴールを呼び込んだ。キックオフ後の興奮も冷めない前半3分、左サイドで得意のFKを得る。ゴール前には198センチと長身のFWクラウチ、188センチのDFファーディナンドにMFジェラードが並ぶ。ベッカムの蹴ったボールは急激に角度を変えてゴールを襲い、相手DFガマラの頭に当たってゴール右すみに吸い込まれた。

 A・コールが、ファーディナンドが、次々と主将に抱きつく。40年ぶりの優勝に向けて、最高のスタートとなる一発。ベッカムは「今日は勝ち点3を奪うことが一番重要だった。いいサッカーを見せられた面もあったし、勝てて良かった」と振り返った。

 決して楽な試合ではなかった。先制した後もチャンスはあったが、追加点を奪えない。後半は午後3時と早い時間のキックオフとあって暑さにも苦しめられた。「どちらも同じ条件だけれど、暑さで集中力を欠いた」と、ベッカムは話した。決定的なピンチには自ら体を張った。「後半は良くなかった」とエリクソン監督も話す内容だったからこそ、ベッカムの導いたゴールが大きかった。

 ベッカムにとって、大事な「初戦」だった。98年W杯ではチュニジアに勝ったものの、00年欧州選手権ではポルトガルに敗れ、02年W杯でも苦手なスウェーデンと引き分け。04年欧州選手権では自らPKを外したのが響いて、フランスに逆転負けしている。「内容よりも勝ったことが重要」と話すのは、過去の苦い経験があったからだ。

 期待のルーニーが負傷で間に合わず、MFジェラードも初戦の出場が危ぶまれた。チームがピンチだからこそ、ベッカムは自信を口にしていた。「今回は人生最高のW杯」「優勝パレードはすごいものになる」。国民の期待に応えて、優勝まで宣言した。

 前回大会はケガで棒に振ったジェラードが、今回は好調。ランパードらと組む中盤は今大会屈指だ。オーウェンと長身クラウチのFW陣も魅力がある。そして、テリーとファーディナンドの守備も堅い。66年を超える「史上最強のイングランド代表」と言われ、ブラジルに次ぐ優勝候補に挙げられる。頂点まで、あと6試合。「まだまだチームは強くなる」。ベッカムが、人気でも実力でも大会の主役となる。

[2006年6月11日9時45分 紙面から]


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