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エクアドル2発ポーランド粉砕/A組

ゴールを決めたデルガド(左)はメンデス(中央)バレンシアと喜ぶ(AP)
ゴールを決めたデルガド(左)はメンデス(中央)バレンシアと喜ぶ(AP)

<1次リーグ:エクアドル2-0ポーランド>◇9日◇A組◇ゲルゼンキルヘン

 「下山」しても山男たちは強かった。エクアドルがポーランドを2-0で粉砕した。W杯南米予選で高地でのみ得点したFWアグスティン・デルガド(31)が1ゴール1アシストと平地でも大活躍。予選は標高2850メートルのホームで7勝2分けという高地王者が下馬評を覆した。南米勢が欧州開催のW杯で欧州勢から白星を挙げるのは、ブラジル、アルゼンチンに次いで3カ国目となった。

 赤と白のポーランド色で大半を埋めた客席が沈黙した。下山した高地王者、エクアドルが平地でその強さを世界中に誇示した。山男たちをけん引する31歳の熟年ガイドが主役だった。

 南米予選で5得点。チーム得点王のデルガドだ。前半24分。右サイドからDFデラクルスの入れたロングスローを抜群の跳躍から頭で後方へ流して、C・テノリオの先制点をアシストした。1-0の後半35分にはスルーパスでDFラインの裏に抜けたFWカビエデスの折り返しを、右足で冷静に沈め、今大会初得点も記録。「この勝利を祝福したい。ハードに動いたことが報われた」。マン・オブ・ザ・マッチに輝いた「背番号11」の声が弾んだ。

 酸素濃度が薄く、対戦相手の息が上がる高地では強いエクアドル。そんな内弁慶の象徴的存在がデルガドだった。予選で得点したのは地元キト、そして標高3700メートルのボリビアの首都ラパスでの試合。スアレス監督は「平地でも勝てる」と強がったが、同予選のアウエーは1勝2分け6敗。決定的な仕事の少ない大黒柱に結果は正直だった。だが、この日は大方の予想を覆す働きだった。

 ある選手の魂と一緒の戦いだった。W杯予選の真っ最中だった昨年5月。代表でスーパーサブだったFWのO・テノリオが交通事故でこの世を去った。ゴール後にスパイダーマンのマスクを被るパフォーマンスで国民に愛された男だった。「W杯でマスクを被るんだ」。その夢は途絶えたが、デルガドら残された仲間が人気ヒーローに負けない勇姿をドイツのピッチに示した。

 スアレス監督は「今まで高地でしか活躍できないと批判されてきたから、うれしい。素晴らしいプレーだった」と胸を張った。欧州開催のW杯で欧州勢に勝った南米勢はブラジル、アルゼンチンに次いで3カ国目。1次リーグ3戦目でW杯初勝利を挙げた4年前と状況は異なる。初の決勝トーナメント進出へ。山男たちの目は頂へと向いている。

[2006年6月11日9時49分 紙面から]


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