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日本-豪はパイロットが裁く/ビバW杯

 「空飛ぶパイロット」が、日本の運命の鍵を握る初戦を裁く。W杯の主審を務める21人の国際審判員の本業はさまざまだ。審判を生業とする者もいれば、世界最優秀審判に輝いたメルク氏は歯科医、ほかにも弁護士、ジャーナリストなどを肩書にする者が名を連ねる。中でも、12日の日本-オーストラリア戦の主審を務めるエサム・アブデルファタハ氏(40=エジプト)の本職は異彩を放つ。エジプト空軍の飛行士、が本当の姿だ。

 週に4~5日間は軍で働き、残り2日間は審判員としての練習や試合で笛を吹く生活を続けてきた。代表戦だけでなく、軍主催の国際大会でも主審を務めてきた。「パイロットとして求められる冷静な判断力、規律に対する忠誠心などは、審判を務める上で大変、役立っている」と胸を張る。

 戦争経験はないというが、ピッチ上での「戦争」は経験している。昨年10月のW杯アフリカ最終予選のチュニジア-モロッコ戦は、両チームともに勝てばW杯出場が決まる大一番だった。「世界22カ国にテレビ中継されたと聞いていた試合で、かなり激しい展開になった。だが、そこでのレフェリングが認められて、W杯に来られたのだと思う」。激戦を乗り越え01年に国際審判員に転身してから、念願だった世界最高峰の舞台に初めてたどり着いた。

 副審2人と3人1組で審判団を形成する今大会。出場32カ国同様、1次リーグの笛裁きが認められれば、決勝トーナメントでも審判を任される。「空が恋しい? そんなことはない。W杯の主審に選ばれたことはエキサイティングなこと。今はこの瞬間を楽しんでいる」。地上での、公平かつ冷静なレフェリングに期待したい。【広重竜太郎】

[2006年6月11日11時14分 紙面から]


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