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ブラジルW杯新8連勝カカ初ゴール/F組

<1次リーグ:ブラジル1-0クロアチア>◇13日◇F組◇ベルリン

 ブラジル代表のまじめ男が、チームを救った。連覇へ向けたクロアチアとの初戦で、決勝点を奪ったのはMFカカ(24)だった。FWロナウド、アドリアーノが精彩を欠き、MFロナウジーニョが徹底マークに遭う中、約22メートルのミドル弾を決めた。ブラジルに1-0の勝利と、W杯新記録となる8連勝をもたらした。4年前は末席で、わずか18分の出場に終わったカカが、調整不足の仲間を横目に全開のスタートを切った。

 1人の堅物にブラジルが救われた。「魔法のカルテット」は、まだ種も仕掛けも準備していない。輝いたのはただ1人、カカだった。前半44分、DFカフーからのパスを受けてクロアチアの選手を軽くいなし、ゴール左上を左足で狙い澄ました。6度目の優勝へ、この1発が幕開けになった。

 「ブラジルには運動量と創造力が足りなかった。後半は特にそう。守備ももっと良くならないと…」。カカは、苦戦した原因を反省した。勝っても浮かれず、優等生発言を連発。このまじめさがチームを救った。

 5月下旬の始動後、2度のオフにロナウド、ロベルト・カルロスらの夜遊び隊は、夜の街へ繰り出した。しかし、カカは決して出歩かない。ブラジルの報道陣はからかいつつも、尊敬の念を込めて言う。「彼は部屋でお祈りでもしてるんじゃない?」。試合前日の性交にも「集中すべきで、そんなことを考える時間ではない」と反対する。

 決勝までの1カ月を考え、ピークはまだ先。それがW杯でのブラジルだ。ロナウドはまったく走れず、アドリアーノはボールが足につかない。ロナウジーニョはFWと息が合わない。4人の中で最も若いカカは手抜きをせず、絶好調でW杯を迎えていた。

 4年前。きゃしゃな20歳は、来日時に観光客と間違えられそうになった。出場は1試合だけ。1次リーグ3戦目のコスタリカ戦、3点リードの後半27分からピッチに立った。その後、移籍したACミランで活躍し、今季は55試合に出場。ブラジル代表の先発組で最多を数えるほど、たくましくなっていた。

 カカの1発は、W杯新記録となる8連勝にも導いた。次のオーストラリア戦は、記録更新とともに決勝トーナメント進出がかかる。「難しい試合になると思う。ヒディンク監督は、韓国の時もいい結果を出しているしね」。パレイラ監督は日本戦でチーム状態はベストになると公言しており、初戦の低調ぶりは、今後の伸びを予感させる。待ちきれないカカは、1人先んじて飛び出した。【佐々木一郎】

[2006年6月15日9時34分 紙面から]


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