このページの先頭



ここから共通メニュー

共通メニュー

ホーム > 2006年ドイツW杯 > 紙面から > ニュース



26mFK!ベッカム8強弾/決勝T

ゴールを決めたイングランドMFベッカム(中央)(撮影ガブリエル・ピコ)
ゴールを決めたイングランドMFベッカム(中央)(撮影ガブリエル・ピコ)

<決勝トーナメント1回戦:イングランド1-0エクアドル>◇25日◇シュツットガルト

 ベッカム弾さく裂だ! イングランドがエクアドルに1-0で勝ち、2大会連続の準々決勝進出を決めた。主将のMFデビッド・ベッカム(31)が後半15分に直接FKを突き刺し、これが決勝点となった。酷暑の影響もあり前半はエクアドルにペースを握られ大苦戦。だが、体調不良からか途中で嘔吐(おうと)するアクシデントをはねのけた「貴公子」の、W杯通算3点目となるゴールでチームは勝利。66年イングランド大会以来、40年ぶりの優勝へ1歩前進した。

 両手を広げ、歓喜の雄たけびを上げた。重苦しいムードが続いた後半15分。ベッカムが試合を決めた。左45度、ゴールまで26メートル地点でのFK。右足を振り抜くと、放たれた一撃は4枚の壁を越えて急激に降下。相手GKの右手をかすめ、左ポスト際のゴールネットを揺らした。

 悔しさを胸に、ドイツを去ったエースへささげるゴールでもあった。右ひざ十字じん帯断裂で離脱したオーウェンは「一番大きいのはチームを離れなければいけない罪悪感だ」と話していた。「罪悪感」という言葉に胸を打たれた主将は、人一倍奮起していた。

 実は試合2日前の練習からFKが不調で苦悩した。だが、試合前に年下のFWルーニーから「そろそろ入るんじゃない」と声をかけられた。ブラジル代表DFで所属クラブのチームメート、ロベルト・カルロスからも「おれのためにFKを決めて」と携帯メールが届いた。「久々にFKを決められて良かった。仲間の励ましがモチベーションになった」。この時ばかりは厳しい表情が笑顔に変わった。

 オーウェンが離脱、不動の右DFネビルも故障欠場。厳しいチーム状況の中、エリクソン監督はこの日の布陣を大幅に変更。ルーニーを1トップ、右DFに本来はMFのハーグリーブズ、中盤の底には国際Aマッチ出場わずか6試合のMFキャリックを抜てきした。だが、急な布陣変更でバランスが崩れ前半は何度もピンチに陥った。

 苦手な猛暑にも苦しめられた。1次リーグ初戦のパラグアイ戦でも苦戦の要因となったため、チームは食事、睡眠、ハーフタイム時の冷却のために控室に氷風呂を用意したほど。40年ぶりの優勝へ向けて重要な決勝トーナメント1回戦は厳しい状況下に置かれたが、すべてを吹き飛ばしたのがベッカムだった。

 誰よりも献身的に動き回り、体力は極限に達していた。事実、FKを決めた直後にピッチ上で嘔吐。後半42分に疲労のためベンチに退き「暑さのせいで胃の中のものが出てしまった」と振り返った。DFテリーが「すばらしい根性だ。彼がどれだけ動き回っていたことか」と絶賛した。

 3大会連続ゴールはイングランド史上初。だが、ここで立ち止まるわけにはいかない。「この勝利はチームにとって大きな自信になった」。過去2大会の悔しさは優勝でしか晴らせない。W杯の歴史に名を刻むまでベッカムは前進し続ける。

[2006年6月26日9時33分 紙面から]


最新ニュース

記事バックナンバー


ここからサイドエリア

 

このページの先頭へ

ここからフッターエリア