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クレスポ5年越しの4戦連発/決勝T

前半10分、ゴールを決めるアルゼンチンFWクレスポ(AP)
前半10分、ゴールを決めるアルゼンチンFWクレスポ(AP)

<決勝トーナメント1回戦:アルゼンチン2-1メキシコ>◇24日◇ライプチヒ

 アルゼンチンが苦戦しながらも、20年ぶりの世界制覇へ前進した。延長前半8分、MFマキシ・ロドリゲス(25=Aマドリード)の芸術ボレーでメキシコを2-1で振り切り、2大会ぶりの8強進出を決めた。前半6分に先制されたが、4分後にFWエルナン・クレスポ(30=チェルシー)が“右足つま先”弾で同点。クレスポ自身、1次リーグで敗退した02年日韓大会から、出場4試合連続ゴールとした。メッシら若手有望株をそろえる攻撃陣の「兄貴分」は、日本で流した涙を糧に成長。準々決勝(30日)は開催国ドイツと対戦する。

 数センチの勝負に、執念が凝縮されていた。前半10分の右CK。MFリケルメからの低弾道のボールをメキシコFWボルヘッティが頭でクリアしようとする。その時だ。競り合ったクレスポが右足をグイと突き出す。次の瞬間、ボールはゴールネットを突き刺した。オウンゴールにも見える微妙なシーンにも「オレは競り勝ったんだ。オレのゴール。つま先に当たったんだ」と胸を張った。今大会初めて先制を許す嫌な流れをすぐに断ち切り、手ごわいメキシコに苦しめられながらも延長戦で振り切った。

 スタンドにいたあの「先輩」の視線に燃えた。バティストゥータだ。W杯4試合連続ゴールの始まりは、屈辱の1次リーグ敗退が決まった02年大会スウェーデン戦から。エースとして日本に乗り込んだが、本番直前でバティに先発の座を奪われた。スウェーデン戦には途中出場し後半43分に同点弾を決めたが、勝ち点1差でまさかの1次リーグ敗退。クレスポはピッチで号泣した。宮城スタジアムで涙してから4年…。「バティがいてもいなくても、僕のサッカーや生き方は変わらない。アルゼンチンの輝かしい歴史の一部を担うんだ」。あの悔しさがリベンジ劇の糧になっている。

 「有望な若手はたくさんいるが、オレだってまだチームに貢献できる」。クレスポにジェラシーを感じさせるタレントぞろいの「弟分」たちの存在も心強い。後半30分からテベス、アイマール、24日が19歳の誕生日だったメッシと次々に投入された。同じく28歳の誕生日だった司令塔リケルメが操る。「曲芸バスケットチーム」と表する、極上の攻撃陣がベンチに控えるのが優勝候補の強みだ。

 準々決勝はドイツ戦だ。「本当に難しい試合になるが自信はある。この勝利がチームを強く成長させる」とペケルマン監督。5戦連発を狙うクレスポに導かれたアルゼンチンが、開催国粉砕で新時代の扉をこじ開ける。【西尾雅治】

[2006年6月26日9時41分 紙面から]


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