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W杯史上最多退場4人!警告16枚/決勝T

レッドカード受け退場するポルトガルのコスティーニャ(AP)
レッドカード受け退場するポルトガルのコスティーニャ(AP)

<決勝トーナメント1回戦:ポルトガル1-0オランダ>◇25日◇ニュルンベルク

 屈指の好カードが歴史的大乱戦となった。ポルトガル-オランダ戦は、W杯史上最多4人の退場者と最多タイ16枚の警告が出る、大荒れの展開。FIFA(国際サッカー連盟)ブラッター会長が「審判にイエローカードを」と苦言を呈する異例の事態となった。審判の管理能力の低さが露呈する中、ポルトガルが死闘を制しベスト8進出を決定。前半23分に、MFマニシェ(28=チェルシー)が決勝弾を決めた。乱戦余波で準々決勝イングランド戦(7月1日)にMFデコ、コスティーニャは出場停止となるが、荒波を乗り越え、66年大会以来の4強入りを目指す。

 音楽を愛するロシア人教師-。そんな素顔を持つイワノフ主審が、笛を口にくわえた途端、試合を狂想曲に変えてしまった。前半2分の最初の警告は、序曲にすぎない。同ロスタイムにポルトガルMFコスティーニャを、後半18分にはオランダDFブーラルーズを2枚目の警告で退場させた。

 最終楽章は同28分から。ポルトガルが負傷選手の治療のためピッチサイドにボールを出したが、再開後にオランダはボールを返さず一気にヒートアップ。ポルトガルMFデコの報復タックルに端を発し、5分間で6枚の警告が乱れ飛ぶ。無秩序の状況にベンチ、スタンドから怒号が渦巻いた。

 さらにイワノフ主審は終了までに両チーム1人ずつを退場させた。未熟な審判能力が、奇妙な光景さえも生み出した。ともにスペインリーグのバルセロナ所属で退場したデコ、オランダDFファンブロンクホルストが、通路奥で並んで座り「呉越同舟」で観戦する始末だった。

 両ウイングを配置する攻撃サッカー同士の激突で好勝負が期待されたが一転、歴史に残る乱戦となった。これにはFIFAブラッター会長も物申さずにはいられない。「審判にイエローカードが出されるべきだ。一貫性のない審判による介入とフェアプレーに欠けた選手による素晴らしいショーだった」と皮肉を込めて批判した。

 乱戦は試合後の両監督による舌戦に飛び火。「リベルタドーレス杯の試合に似ていた。戦争のようなね。私はそういう戦いに慣れている」と涼しい顔のポルトガル・フェリペ監督。だが報復を誘うようなフィーゴの態度を問われると「イエス・キリストは『右のほおをぶたれたら左のほほを出しなさい』と言ったが、フィーゴはイエス・キリストじゃない。でも少なくともオランダ人よりは正しいと思う」と切り返した。一方でオランダ・ファンバステン監督は「フィーゴにやられた。フェアプレーを唱えるならば、自分たちを見つめるべき」と批判した。

 これで今大会の退場者は23人。12試合を残し早くも98年大会の22人を超えてしまった。FIFAは、審判団を同じ国や地域で構成したり、試合中に主審と副審が通信できるシステムを開発するなど、審判の充実に力を挙げて臨んできた。だが皮肉にも、批判の声は高まるばかり。試合前にイワノフ主審は反論していた。「選手のことを嫌っているのではなく選手と試合を守ろうとしているだけだ」。だが実際のピッチ上は狂乱の世界に塗り替えられた。【広重竜太郎】

[2006年6月27日9時53分 紙面から]


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