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フェリペ監督「孫子の兵法」で勝つ

 ポルトガルのルイス・フェリペ監督(57)が、「孫子」をバイブルにしてイングランド戦に臨む。7月1日の準々決勝イングランド戦は、MFデコとコスティーニャが出場停止、FWのC・ロナウドも右太もも裏痛で出場が微妙と満身創痍(そうい)での戦いを余儀なくされる。フェリペ監督はブラジルを率いて優勝した02年大会と同じく、孫武の兵法書「孫子」の戦術を採用し、苦しい一戦を乗り切っていく。

 彼を知りて己を知れば、百戦して殆うからず-。

 苦境に立たされたフェリペ監督は、1-0で辛勝した決勝トーナメント初戦のオランダ戦後、スーツケースから戦術書を取り出した。中国最古の兵法書と言われる「孫子」だった。ブラジルを率いた02年日韓大会では全選手に手渡し、宿舎の壁にも印象深い言葉を張り出した。ポルトガルを率いて臨んだ今大会も心のよりどころとして、戦術書を再び開いた。

 ★用うるも之に用いざるを示せ(※1) イングランド戦は、オランダ戦で右太ももを負傷した主力FWのC・ロナウドの出場が微妙。04年の欧州選手権から選手を固定して戦ってきたが、デコとコスティーニャも出場停止で欠くためメンバーが大幅に代わる可能性もある。指揮官は「選手の穴は埋めてみせる」と強気だが、敵を欺(あざむ)くためにも先発メンバーは明かしたくないはずだ。

 ★勝つ可からざる者は守りにして、勝つ可き者は攻めなり(※2) まず守備から入って、攻撃に転じるのがフェリペ流。ブラジル監督時代は守備的戦術に批判を受けたが、W杯欧州予選は12試合でわずか5失点。「守から攻」がピタリとはまって欧州予選トップの得失点差30という数字もたたき出した。今大会も4試合で1失点。優勝経験のないポルトガルにとって、守備を固めることがイングランド撃破の近道になる。

 ★善く戦う者は之を勢に求めて、之を人に求めず(※3) ポルトガルは89、91年とワールドユースを連覇し黄金世代と呼ばれたが、W杯では結果がついてこなかった。フェリペ監督は、能力のある個を集団としてまとめあげ、04年欧州選手権で準優勝。4バックを一貫して用い、4年間で完成度の高いチームを築き上げてきた。

 ポルトガルの宿舎では毎晩、孫子を読みふけるフェリペ監督の姿がある。前回大会から続く指揮官のW杯連勝記録は史上最多の11まで伸びた。関係者は「彼はイングランド戦のために孫子を読んで、準備を進めている。この対戦が重要だと考えているのだろう」と言う。フェリペ監督は紀元前に記された中国最古の兵法書を胸に、優勝への道を歩む。

 ※1 「使うつもりでも使わないふりをせよ」の意。世界屈指のドリブラーと呼ばれる、故障中のC・ロナウドの起用を最後まで明言せず。

 ※2 「勝つ条件が整っていない場合には守りを固め、勝機を見いだした時には攻撃に転じる」の意。フェリペ監督は、守備を固め、スキがあれば攻撃に転じるのが基本戦術。

 ※3 「名将は個人の能力だけにとらわれずに全体の勢いも重視する」の意。ワールドユースを連覇した黄金世代が主体だった「個の集団」から、チームとしてのまとまりを重視した。

[2006年7月1日7時52分 紙面から]


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