イングランド敗退ベッカム号泣/準々決勝

- 後半、交代したベッカムは、ベンチで右足に手をやりながら泣き出した(AP)
<準々決勝:ポルトガル0-0(PK3-1)イングランド>◇1日◇ゲルゼンキルヘン
イングランドMFデビッド・ベッカム(31)の、3度目のW杯が終わった。ポルトガルに0-0からのPK戦は1-3で敗れ、前回の02年日韓大会に続き準々決勝で散った。後半7分、右ふくらはぎを痛め途中交代後、FWルーニーまで一発退場。同国史上屈指のメンバーをそろえながら、ポルトガルの乱戦ペースに巻き込まれた。悲願だった自国開催の66年大会以来40年ぶりの優勝は夢と散った。
イングランドのイレブンが崩れ落ちた。ポルトガルの5人目MFクリスティアーノ・ロナウドが決めた瞬間、GKロビンソンはピッチに沈んだ。PK戦は鬼門だった。W杯では90年、98年とPK戦を2度経験し、いずれも3-4で敗れた。2年前の欧州選手権でもベッカムの失敗もあり、ポルトガルGKリカルドの前に屈した。その悔しさを胸に、この試合の前にはPKを徹底的に練習した。互いに2人ずつ失敗し迎えた4人目。DFキャラガーが蹴り直しを命じられ失敗。落ち込む仲間たちを励まし続けるベッカムの背中が、寂しげに震えた。
ベッカムが泣いた。後半1分、相手選手との競り合いの後、右ふくらはぎをさすった。痛みをこらえプレーを続けたが、ボールを蹴るとともにバランスを崩すほど、状態は悪かった。同7分にMFレノンと交代しベンチに戻ると、両手で顔をおおい男泣きした。
その視線の先で、悪夢のような苦境が訪れた。同17分、倒したDFの股(こ)間を踏みつけたFWルーニーが、抗議したマンチェスターUの同僚MFクリスティアーノ・ロナウドを突き飛ばし一発退場。1人減ったイングランドは、一進一退だった前半とは打って変わって苦境に陥った。GKロビンソンの好セーブで耐え、快足レノンと途中交代のFWクラウチで数少ないチャンスを狙った。
イングランドにとって、準々決勝は大きな壁だ。今大会まで7回進出も、突破は優勝した自国開催の66年大会と、FWリネカーを擁し4強に進出した90年イタリア大会の2回だけ。ただ今回は史上最強の呼び声が高く、国内の期待は高まった。MFベッカムは66年のムーア、90年のブッチャーに続く主将として3人目の4強進出を宣言。「この偉大な2人に続くのがオレ…いい響きじゃないか」と燃えていた。
そしてエリクソン監督も、ポルトガルのフェリペ監督へのリベンジを誓った。04年の欧州選手権では、同じ準々決勝でPK負け。さらに02年日韓大会ではフェリペ監督が率いるブラジルに、これも8強で屈した。MFジェラードが「監督を大舞台で2度もフェリペに負けさせるわけにはいかない」と言えば、監督も「私のラストゲームにはならない」と繰り返していた。
[2006年7月2日8時36分 紙面から]
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