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レーマン魔法の靴下でPK阻止/準々決勝

<準々決勝:ドイツ1-1(PK4-2)アルゼンチン>◇30日◇ベルリン

 ドイツにも「神の手」がいた。アルゼンチンとの準々決勝は1-1からPK戦にもつれ込んだが、GKイエンス・レーマン(36=アーセナル)が神懸かり的な読みを連発。相手のキックを2本止め、チームを4-2の勝利に導いた。過去のW杯でPK戦3戦全勝同士の対決を制して、82年大会から続くドイツの不敗を守った。

 レーマンの目には、すべてが見えていた。2本目のアジャラのキックをはじき、4本目のカンビアッソも左に飛んで止めた。4本すべてコースを読み切り、うち2本をストップ。勝利の瞬間、絶叫しながら駆け寄るチームメートのもとに、静かに右こぶしを握りしめ、ゆっくりと歩み寄った。

 「ドイツ代表GKとしてPKを止めることを期待されていると感じていた」と話しながらも、ヒーローは謙虚だ。「(味方の)4人が素晴らしいキックを決めてくれたから」。試合後は正GKの座をめぐり舌戦を繰り広げたこともあるカーンと握手を交わした。1人で集中を高めていたPK戦前には、頭をなでられ、励まされた。元守護神と一体になって、勝利をつかんだ。

 これでドイツのW杯でのPK戦は4戦全勝。PK戦に強いGKの系譜を、レーマンも引き継いでいる。シャルケ時代の97年UEFA杯決勝、昨年のFA杯決勝と、PK戦を制した。「相手選手の体格、蹴り方、選手としての長所、短所、性格などから判断している」と、コースを読むコツを明かしたことがある。この日の試合前にも、ビデオでチェック。決して、カンで飛んでいるのではなかった。

 クリンスマン監督から正GKに指名された理由の1つが、PKに強いことだ。「レーマンを相手にPKは蹴りたくない。彼は、コースを感じ取る力がある」と元代表ストライカーに絶賛された。今季も欧州CL準決勝のビジャレアル戦で、この日対戦したMFリケルメのPKを止めている。

 地元紙には「PKの神」の見出しが躍り「神の手を持つ」とまで絶賛された。82年大会準決勝でフランスを破り、86年大会準々決勝では地元メキシコを撃破したシューマッハー、90年大会準決勝でイングランドを下したイルクナー。過去の名手たちに、レーマンも大きく近づいた。PK戦のあった82年からの3大会連続で決勝進出を果たしたドイツの全盛期。この勝利は、黄金時代復活の証しだ。「神の手」レーマン率いる強いドイツが、PK戦を制した勢いに乗って16年ぶりの頂点まで駆け上がる。

[2006年7月2日8時22分 紙面から]


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