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アンリ怒りの一発!4強呼んだ/準々決勝

後半12分、右足で決勝ゴールを決めるアンリ。GKジダ(AP)
後半12分、右足で決勝ゴールを決めるアンリ。GKジダ(AP)

<準々決勝:フランス1-0ブラジル>◇1日◇フランクフルト

 高く優雅なジャンプから、やさしく右足インサイドで合わせた。アンリが王国の野望を打ち砕いた。後半12分、左からのFK。ジダンのクロスを、逆サイドで完全フリーになって仕留めた。「たまたまいいタイミングでいい位置に入っただけ。自分は合わせてゴールに入れるだけでよかった」。ジダンに感謝した今大会3点目は、ブラジルを沈める千金の1発。世界に衝撃を与えた。

 だが仲間の祝福の輪の中で、アンリだけはニコリともしない。怒りのメンタリティー。それがこの男の力の源になっている。「自分の内側に怒りの気持ちを燃やせなくなったら、サッカーをやめて家にいた方がいい」。見るもの、聞くものすべてが怒りの材料になる。父アントニーさんに少年時代から教え込まれた哲学は「目標に向かって打ち込むなら常に満足するな」。頂点に立つまで、何があろうとピッチで笑うつもりはない。

 アーセナルでは4度の得点王。だが世界屈指のFWの実力は、かみ合わない連係の犠牲にあい代表で反映されなかった。98年大会は決勝戦だけ出番がなく、3戦無得点で1次リーグ敗退した02年日韓大会では2戦目に退場処分を食った。あれから4年。チームは試合ごとに組織として結束を固め、アンリも輝き始めた。「これで02年のことは完全に過去に流し去った」と、しみじみと言った。

 98年大会以来の優勝も現実味を帯びてきた。だが、そんな空気をけん制する。「フランスが有利というのは危険だ。大事なのは1歩ずつ進むこと」。次なる獲物は5日準決勝のポルトガル。アンリの怒りの炎はメラメラと燃え盛っている。【西尾雅治】

[2006年7月3日9時46分 紙面から]


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