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ロナウジーニョ輝けず/準々決勝

フランスに敗れ頭をかかえるロナウジーニョ。右はジウベルト・シウバ(AP)
フランスに敗れ頭をかかえるロナウジーニョ。右はジウベルト・シウバ(AP)

<準々決勝:フランス1-0ブラジル>◇1日◇フランクフルト

 「絶対本命」ブラジルの短い夏が、不完全燃焼のまま終わった。98年大会決勝の再現となったフランスに0-1で敗戦。枠内シュートを1本に抑え込まれ、W杯の連勝は「11」でストップ。MFロナウジーニョは、世界NO・1の輝きを放てないまま大会から姿を消した。連覇を狙った史上最強のカナリア軍団は、その魔法を解き放つ間もなく力尽きた。FWティエリ・アンリ(28)の決勝点で2大会ぶり5度目の4強進出を決めたフランスは、5日の準決勝でポルトガルと対戦する。

 トレードマークの笑顔が消えた。ロナウジーニョの顔に浮かんだのは、汗にまみれた焦りの色だった。後半44分のFKも、ボールは言うことを聞いてくれない。クロスバーの上を、サポーターの悲鳴を乗せながら飛んでいった。3分のロスタイムも無情に過ぎた。

 「何が足りなかったのか、まだ言えない。ブラジルはどの大会でも勝ち続けて、慣れすぎていた。悲しい」。2年連続で国際サッカー連盟(FIFA)最優秀選手に選ばれた名手は、ゴールネットをただの1度も揺らせないまま終わった。フランスに惨敗した98年決勝以来のW杯での敗戦。試合前、ペレ氏は「何か悪い予感がする」と警鐘を鳴らした。いつも当たらない予言が、こんな時に限って的中した。

 パレイラ監督の「現実路線」が裏目に出た。「きれいにやるのと、勝つのと、どっちが大事だ? 私は勝利を選ぶ」と言い続けてきた。ロナウドの実績を信じて起用を続け、ある程度の再生には成功した。しかし走らないFWでは、ロナウジーニョが生きない。結局、美しさも結果も追求できないまま大会が終わった。

 「このチームには、練習時間が足りなかった。親善試合が1度しかできなかった。大会中にもっと伸びると思っていた」とパレイラ監督。大会直前の練習試合は、スイスの地元クラブと、FIFAランク118位のニュージーランドだけ。強豪と渡り合うより、自分たちの調整を重視した。その遅れは、最後まで取り戻せなかった。

 ドイツ入り前の合宿地は、最もギャラのいいスイス・ウェギスを選んだ。練習を有料で公開し、毎日がお祭り騒ぎ。そのツケが、結果に表れた。大会中にロビーニョが故障した時、MFエメルソンは言った。「ウオーミングアップの時、まじめにストレッチをやっていない者がいる」。緊張感も欠いていた。

 MFカカは「本来のブラジル代表ではなかった。らしいプレーは、1回もなかった」と嘆いた。欧州開催のW杯で、欧州勢以外が優勝したのは58年のブラジルだけ。今回の敗因は、データやジンクスで受け流される問題ではない。GKジダは「異常な期待をされていた。いつも10-0で勝つことを要求される」と言った。カナリア軍団は周囲に踊らされ、押しつぶされた。【佐々木一郎】

[2006年7月3日9時46分 紙面から]


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