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V呼ぶジダン、勝って泣く

 フランス代表MFジネディーヌ・ジダン(34)が5日、決勝進出をかけてポルトガル代表と対戦する。相手のMFルイス・フィーゴ(33)とは、レアル・マドリードで4季にわたってプレーした盟友。大会後の現役引退を表明しているが、フィーゴも代表引退が濃厚で、サッカー人生をかけた一戦になる。

 ジダンは4日午前、チームメートとともにドイツ北部の合宿地から、決戦の地ミュンヘンへ出発した。勝てば決勝、負ければ3位決定戦。あと2試合戦えるが、頂点への道は1つだけ。次の相手はポルトガルだ。

 浅からぬ因縁がある。6年前の欧州選手権準決勝。延長戦でジダンが、ゴールデンゴールとなるPKを決め、ポルトガルを下し、そのまま優勝まで駆け上がった。同年、国際サッカー連盟(FIFA)年間最優秀選手賞を獲得。欧州最優秀選手賞(バロンドール)も有力だったが、これに輝いたのはフィーゴだった。

 ジダン対フィーゴ。ともに72年生まれ、両国主将同士の対決は、これが最後になる。フィーゴは00年7月、バルセロナからRマドリードへ。移籍金100億ペセタ(当時約61億円)は史上最高額だったが、翌年7月にユベントスから同じくRマドリードへ移ったジダンが125億ペセタ(約81億円)で塗り替えた。

 以降、4シーズンにわたって、銀河系軍団の中盤を左と右で支えてきた。ジダンは大会後に引退する。フィーゴも代表から退くことは確実で、両者にとって有終をかけた戦いになる。

 今年4月、引退表明した時に言ったことをジダンは忘れない。「W杯に集中するために、はっきりさせる必要があった。自分の最後の目標で、今はこれ以外には考えていない」。その通り、極限の集中力を発揮し、全盛期のプレーを取り戻しつつある。

 当時、「最後の試合が終わったら、泣いてしまうと思いますか?」と問われると、こう言った。「優勝したら、泣くかも知れないね。でも、負けて泣くことはないだろう」。日本代表MF中田英は、泣いて幕を閉じた。ジダンは勝って泣く。【佐々木一郎】

[2006年7月5日9時59分 紙面から]


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