リッピ好采配!途中出場選手が11発中5発
<準決勝:イタリア2-0ドイツ>◇4日◇ドルトムント
イタリア代表のマルチェロ・リッピ監督が、過去のW杯王者とはまったく異なるスタイルで、チームを決勝へと導いた。この日のデルピエロのトドメのゴールをはじめ、今大会のチーム全11ゴール中、5ゴールが途中出場選手によるもの。占有率は45%にもおよび、先発選手が結果を残してきた過去の王者とは異なる。準々決勝までに、控えGK2人を除く21人を起用した幅広い采配で、異色の王者が生まれるかもしれない。
ベンチでリッピ監督が叫んだ。「今からアレックス(デルピエロ)がゴールを取ってくれるからな」。延長前半14分、ピッチ上の選手とベンチの選手、そして何よりデルピエロに聞こえるような大声で、ピッチへと送り出した。そのデルピエロが蹴ったCKから先制点が生まれ、直後にはカウンターからデルピエロ自身がゴールを決めた。采配が完ぺきに決まった。
リッピ監督「イタリアはドイツよりチャンスをつくり上げ、ピッチで相手よりリードしていた。試合の最後に決め手となったのは重要な選手たちだ。最後の15分間は我々のほうがクオリティーが高かった」。
デルピエロ起用後の最後の16分間の戦いに胸を張った。さらに言う。「この試合がPK戦になるのは正当ではなかった」。イタリアが90年代に3度敗れたPK戦を避けたい思いから、何とか延長戦でけりをつけるために全力を尽くしたことも明かした。
デルピエロのゴールは、今大会チーム11点目。そのうち実に5ゴールが、途中出場選手によるものだ。ベンチを含めた全員で戦うことを徹底させ、サブGKの2人を除く21人をピッチに立たせている。先発もコロコロ替えて、トッティやトニでさえも疲労が見えれば先発から外した。「このチームに200%誇りを持っている」というコメントには、ベンチ全員で戦えるチームをつくったことへの自信がにじむ。
かつて2度指揮したユベントスで、欧州チャンピオンズリーグ優勝や5度のセリエA優勝を果たしたが、90年代は組織的なドーピング、00年代になってからはクラブが審判の買収を行っていたという疑惑が発覚。同監督の手腕にも疑問の目が向けられた。名将としての尊厳を取り戻すためにも、この大会は重要だった。
70年、82年、94年と、12年おきに決勝に進むイタリア代表の「サイクル」も守った。「36年後は考えたくないが、12年後はまだ監督をやっているかもしれないな」と笑わせた。24年ぶり4回目の優勝まであと1。その外見から「イタリアのポール・ニューマン」と呼ばれる同監督の、最後のひらめきが試される。
[2006年7月6日8時44分 紙面から]
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