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ジダン仏TV番組出演「後悔なし」

 W杯ドイツ大会決勝で相手選手に頭突きをして退場処分を受けたフランス代表MFジネディーヌ・ジダン(34)が12日(日本時間13日)、フランスのテレビ番組に出演し“事件”後、初めて口を開いた。イタリアDFマテラッツィの言動が母と姉に対する耐え難い侮辱で、許せなかったという気持ちを打ち明けた。衆人環視の中での暴力を謝罪したが、後悔はしていないとも話した。また、国際サッカー連盟(FIFA)は13日、両者から20日に事情聴取し、マテラッツィも処分の対象とすることを明らかにした。

 傷ついた心を覆い隠すように、ジダンは肩から無造作にジャケットを掛けて現れた。望まない形でW杯ドイツ大会のハイライトシーンの主役となってしまった男は、苦々しい思いをかみ殺すようにして、ボソボソとした口調で話した。

 「(引退前の)最後の10分にこうした行為をした。無意識にとか衝動的にやったわけじゃない。自分は覚悟してやった」と、感情的になることもなく、淡々と語った。8年前のこの日に世界一になった話題をふられた時だけ、わずかに笑顔を見せた程度。深い傷は隠せなかった。

 マテラッツィから何を言われたかについての質問に「何度も何度も『お前の母親、姉は…』と言われた」と、言葉をのみこんだ。司会者が「最後まで言ってください」と要求したが、ジダンは無視して話を変え、マテラッツィがユニホームを引っ張ったため、試合後に交換してもいいという趣旨のことを言ったことなどを説明した。だが、実際に言われた言葉については「許し難い言葉」「私の(心の)非常に奥深いところに触れる言葉」「激しい言葉」と話すだけだった。

 希代のフットボーラーから「人間ジダン」をあらわにしたのは、ここからだ。「(1、2回目は聞き流したが)3回目には、自分は男なので立ち向かった」「後悔はしていない。後悔するということは、相手がした挑発(が報復されるべきものではないこと)を認めることになる」と、内面からわき上がってきた怒りなどの強い気持ちを隠すことはなかった。それでも、最後まで実際に何を言われたのかは明かさなかった。

 ジダンは、マテラッツィが発した言葉を「告発」することを望んだわけではなかった。それよりも力を込めて話したのは、自分の行為は特に子どもへの影響が大きく謝罪したいということ、だが、それについて後悔はしていないという内容だった。

 6月12日のW杯前日会見を最後に、会見に応じていなかったジダンが、真相を話す場としてテレビ局によるインタビューという形式を選んだ。司会者との1対1であれば、自分でコントロールできる範囲も大きい。真相を語る場というよりも、暴力による退場劇で失墜した自らの尊厳を再び示す場として選んだ。

 「ああしたことは絶対に良くないことで、自分でもそれは認めている」と自らの非を正当化することはなかった。だが「根本の悪を罰するべき」と、挑発した方も何らかのペナルティーがあるべきだと訴えた。暴力は許されないが、侮辱も許さない。W杯の優勝トロフィーは捨てても、プライドは捨てない。興味本位に騒ぐ世界に、ジダンが強いメッセージを送った。

[2006年7月14日8時46分 紙面から]


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