このページの先頭



ここから共通メニュー

共通メニュー

ホーム > 2006年ドイツW杯 > 紙面から > ニュース



サプライズ巻!優勝狙うための巻!

オシム監督に促され、練習終了を待つファンのところへ向かう巻
オシム監督に促され、練習終了を待つファンのところへ向かう巻

 サプライズは巻だった。6月9日開幕のW杯ドイツ大会の日本代表メンバーが15日に都内で発表され、FW巻誠一郎(25=千葉)が逆転選出された。発表前には23人枠に入るのは難しいと考えられていたが、代表入りが確実視されていた久保竜彦(29=横浜)の代わりにFWの5人目としてジーコ監督(53)の心を射止めた。各世代での代表経験がほとんどない雑草が、最後の最後にW杯切符を手にした。

 誰よりも巻が驚いた。ジーコ監督が淡々とメンバーを発表する。川口…中沢…中田英…中村…玉田…。22人まで想定内の名前が続く。だが最後に神が発したのは、「クボ」ではなく「マキ」の2文字だった。

 「びっくりしました。(メンバー入りは)厳しいと思っていたから、期待しないで客観的に見ていたんですが…」。取材を受けていた千葉・市原市内のホテルのテレビで見ていた巻は、喜びより戸惑いを感じていた。すぐに故郷熊本の両親に電話。「父(昇治さん)も選ばれないと思っていて、仕事してたって言ってました」。こわばっていた表情が初めて緩んだ。

 「W杯は子供のころからの夢だった」。高校3年時の98年W杯フランス大会ジャマイカ戦。0-2から1点を返しながら、喜ぶこともなく同点を目指して必死でボールをセンターサークルに運ぶFW中山の姿に目を奪われた。これが、最後まであきらめず、泥臭くゴールを狙う巻のプレーの原点。「泥くさく、アグレッシブに。僕らしいプレーを見せたい」。W杯での日本代表初ゴールを挙げた大先輩を目標に挙げた。

 大津高1年まではアイスホッケーと掛け持ちで、01年ユニバーシアード以外は日本代表には無縁。だが巻は千葉オシム監督の厳しい練習メニューを愚直なまでにこなし、地道に力を付けていった。今季はJリーグで6得点、代表では3得点を挙げた。9日のキリン杯ブルガリア戦では、1ゴールをマークしてアピール。しかし浮かれることなく、この日は2試合連続出場の翌日にもかかわらず、ミニゲームに参加。「あらためて努力は人を裏切らないと思いました」。オシム監督も「日本のサッカーにとって良かったのは、一生懸命頑張った人間が選ばれたということ」と目を細めた。

 代表発表時、千葉のクラブハウスに詰めた記者は15人。だが巻の逆転選出が決まると一気に約150人、テレビカメラ11台に膨れ上がった。約300人のサポーターも集まり「おめでとう」の声と拍手が何度も響いた。「W杯は楽しみに行くところじゃない。優勝を目指し、落選した人の分も頑張ります」。久保の思いも胸に、巻がドイツで輝く。【栗田文人】

[2006年5月16日8時15分 紙面から]


最新ニュース

記事バックナンバー


ここからサイドエリア

 

このページの先頭へ

ここからフッターエリア