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巻が中田に反論「僕は中で仕事したい」

ミニゲームでヘディングでポストプレーをする巻(撮影・蔦林史峰)
ミニゲームでヘディングでポストプレーをする巻(撮影・蔦林史峰)

 日本代表FW巻誠一郎(25=千葉)が20日、MF中田英寿(29)に物申した。福島・Jヴィレッジでの代表合宿は、この日の午後練習から、W杯ドイツ大会に向けた本格的な戦術練習をスタート。そのミニゲーム中に、中田英からサイドに開くようポジション修正を要求されたが「真ん中で仕事がしたいんです」と自分の信念を貫いた。MF中村からは逆に、ポストプレーヤーとして立つ位置をアドバイスされるなど、巻への期待は高まるばかりだ。

 巻が首をかしげた。8対8のミニゲームの前半途中、中田英からポジション修正を要求された。「巻! もっとサイドに開け!」。納得がいかない。給水タイムに、水も飲まず中田英の元に歩いて行った。まばたきもせず「自分は基本的に真ん中で仕事がしたいんです」。中田英との戦術練習はこの日が初めて。新参者の意外な言葉に驚いた中田英から「真ん中にいないで、サイドに流れてボールを引き出す動きをした方がいい」と身ぶり手ぶりでアドバイスされた。それでも首を縦には振らなかった。

 これまで新人同然の選手が、「キング」に君臨する中田英に対し、堂々と意見をしたことが、あっただろうか。しかも、その主張を貫き通し、ミニゲームの後半でも中央でプレーし続けた。「せっかくこういう機会をもらったんだから、自分のやりたいことを主張するのは当たり前です」。Jでも代表でも、中央で体を張ってきたからこそ、W杯メンバーにも選出された。それを変えると、自分ではなくなると思ったからこその主張だった。

 巻の中で、中田英は「スター」のイメージしかなかった。「テレビとかCMでしか見てない人ですから。どう話しかければいいですかね」。合宿の前に報道陣から「ヒデは怖いらしいよ」と、あおられると「そんなこと今から言わないでくださいよ」と戦々恐々の体? だった。この日までに交わした会話は、自己紹介とあいさつ程度。しかしピッチに立てば同じ選手同士。「だってチームメートでしょう」。遠慮はいらない。

 「サプライズ」といわれる代表選出については「自分が一番、ビックリしましたから」と納得するが、周囲の期待は高い。司令塔・中村も「中央で体を張ってほしい。体が大きいからファウルをもらいやすい。相手のDFとDFの間でポジション取りもいい」と注目する。当初、ジーコ監督は24日までの国内最終合宿で練習試合1試合を組む予定だったが、2試合に増やした。もちろん、巻と欧州組のコンビを確認するのも狙いの1つだ。

 中盤の両雄からアドバイスされたことは、期待されている何よりの証し。今後は高原、大黒ら、FWのライバルたちが続々と全体練習に合流してくる。レギュラーを確保するのは簡単ではない。だが、一歩も引く気はない。この日はチームメートを「サプライズ」させた。今度はW杯本大会で世界を「サプライズ」させるため、巻が信念を貫き通す。【盧載鎭】

[2006年5月21日7時54分 紙面から]


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