俊輔はマルタ戦で「直接FK」封印

- マルタ戦を前にした練習中、髪をかきあげチームメートの動きを見つめる中村
日本代表MF中村俊輔(27=セルティック)が、一発必中のFKを封印する。W杯本番を想定し、4日のマルタ戦(デュッセルドルフ)では、セットプレー時にチーム全体で得点を奪う。選択肢を増やす意味で1発狙いではなく、ゴール前で複数のチャンスを呼び込む「こぼれ球狙い」のFKを放つ。3日の居残り練習ではFKを初めて蹴った。W杯開幕前の最後の親善試合で、中村が日本の決定力を増幅させる。
伝家の宝刀は鞘(さや)に収めた。W杯前最後の親善試合を翌日に控えた3日午後の最終調整。代表合宿で恒例だった居残り練習でのFKに、合宿8日目で初めて中村が加わった。ジーコ監督がディフェンスの壁に立つ中、感触を確かめるように計19本。それで十分だった。FKのイメージは出来上がっていた。
中村はジーコジャパンで通算38試合に出場して10得点を挙げ、そのうち直接FKで決めたのは3ゴール。欧州でも高く評価されている飛び道具を、今回使用されるW杯公式球で有効利用する。「ボールにあまり縫い目がないから、足でこすり上げてもカーブしにくい。落とすイメージに近い」。直接狙う用意は当然ある。だが、ボールと足の摩擦抵抗が少なく、反発力も強い公式球の特長を生かして、セットプレーから2次攻撃を仕掛けるパターンを試すつもりだ。W杯本番へ向け、攻撃の選択肢は多ければ多いほどいい。
5月30日に行われたドイツ戦の前半41分。中村はゴール前右サイドで得た直接FKを、ファーサイドへ蹴った。相手DFのクリアミスを中田英がシュート。さらにこぼれ球を中沢が蹴り込んだ。中村は「長い距離を蹴ると、ボールが揺れる。GKがはじいたところに味方が詰めればいい。ミドルシュートも狙いたい」と想像を膨らませる。
ドイツには情熱をイメージして新調した赤いスパイクを持ち込んだ。1次リーグ初戦のオーストラリア戦と続くクロアチア戦で着用する予定で、内側には「大和魂」の文字と「満開の桜」の絵が描かれている。「攻撃に関して言えば、ドイツ戦で築いた流れを失いたくない。いい状態で開幕を迎えるためにも大事な一戦になる」。決定力不足とは言わせない。足元に込めた勝利への思いを体現するため、司令塔がさらなる進化を目指す。【山下健二郎】
[2006年6月4日9時7分 紙面から]
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