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ジーコジャパン無気力88分/親善試合

後半、相手の厳しいディフェンスで転倒する中村(撮影・宇治久裕)
後半、相手の厳しいディフェンスで転倒する中村(撮影・宇治久裕)

<親善試合:日本1-0マルタ>◇4日◇ドイツ・デュッセルドルフ

 日本が課題を抱えたまま、W杯に挑む。大会前の最後の実戦となったマルタ戦は、1-0の辛勝となった。集中力を欠き、セットプレーから決定機も許した。3バックでスタートし、後半は4バックに変更するなど、複数オプションを試したが、得点は前半2分のFW玉田の1点のみ。格下相手に快勝し、W杯へ弾みをつけようとしたジーコ監督の狙いは、イレブンの無気力サッカーで泡と消えた。

 勝利を喜べなかった。誰もが下を向いた。勝利のハイタッチは当然、ない。試合後、中田英が自省を込めて言った。「収穫はない。課題は、どういうプレーするという以前に、走らないといけない。根本的なこと。走らないと、サッカーにならない」。世界ランク125位のマルタ相手にパスがつながらない。中田英は戦術以前に、イレブンの無気力さ、集中力のなさを原因に挙げた。

 W杯戦士の自覚のなさに、ジーコ監督は怒りをあらわにした。5月30日のドイツ戦とは明らかに違うイレブンに「どの状況でも、同じような気持ちで全力を出さないといけない。最初から最後まで自分のすべてを注ぎ込むことができないとダメだ。今は選手によって差がある。相手が格下で気を抜いた」。過去、勝った試合後にここまで手厳しいコメントをしたことはない。

 1-0で辛うじて勝った。玉田が点を入れた開始直後のお祭りムードは、敗戦ムードに変わっていた。MF福西が、試合後に誰もが思っていたことを口にした。「誰かがミスをしてしまうとリズムが狂って、気持ちも乗ってこない」。高原-柳沢のレギュラー2トップを負傷で欠いたことよりも、自ら集中力を欠いて自滅したことを悔やんだ。

 引いて守る相手に中盤ではパスをつないだが、ペナルティーエリアに近づくと、満足にボールがつながらない。中田英のパスは再三、タッチライン、ゴールラインへと消えていった。中村はセットプレーから5種類以上のオプションを試したが、いずれも相手ゴールは割れなかった。後半40分の小笠原の直接FKはバーのはるか上へ飛んだ。小野はトラップミスを連発。自慢の中盤が、そろって不調だった。

 前半は国内最終合宿から続けてきた3-5-2システムで臨んだが、後半から4バックを試した。中盤の枚数を増やしたが相手陣で、3本まではパスが続くが、肝心な4本目はつながらない。最後は守備ラインを低くした相手に、ロングボールを放り込む場面もあった。

 前半終了間際にはセットプレーから失点危機も招いた。W杯へ弾みをつけることは当然できず、逆に落ち込んでしまう内容だ。中田英は「(W杯への準備は)今日の試合を見る限りは、できていない」と切り捨てた。ジーコ監督も「今日がレッスンになって幸せ。教訓にして修正したい。ふわっとした状態なら、オーストラリアに踏みつぶされてしまう」と言った。W杯へ弾みをつけることはできなかった。反省材料は見つかったのが唯一の救いだ。

[2006年6月5日7時59分 紙面から]


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