三都主も左足首ねんざ、日本緊急事態

- 4日のマルタ戦、ベンチに下がったDF三都主は左足首をアイシングしていた
日本の「不動の左の翼」が傷を負った。左サイドの三都主アレサンドロ(28=浦和)が4日のマルタ戦で左足首をねんざした。本人は軽傷を強調したが、チームの最終調整に影響が出ることは必至。5月30日のドイツ戦で右足首をねんざした右サイドの加地も依然初戦出場は微妙で、W杯初戦オーストラリア戦(12日)を1週間後に控えて、両サイドが故障を抱える緊急事態に陥った。5日は休養日だったが、故障を抱えたFW柳沢と加地は、合流したばかりのDF茂庭とともに休日返上で調整した。
顔は笑っていたが、左足を痛々しく引きずっていた。マルタ戦の終了2時間半後、三都主はようやく姿を現した。左足のアイシング治療に時間を要したためだ。「左足首の軽いねんざです。12日のオーストラリア戦は大丈夫でしょう。今日、明日と様子を見て…」。重傷ではなかったが、日本の攻撃を担う左サイドの故障は、最終調整段階を迎えたチームには痛すぎた。
前半6分のMF中村からの右CKに直接左足でボレーを狙った。だが「つま先だけ当たって(足首を)ボールに持っていかれた」。直後のプレーは続けたが痛みに耐えきれず、すぐにうずくまった。開始2分でFW玉田の先制点をアシストするなど好調な出足だったが、後半14分にDF中田浩と交代。ジーコ体制では最短でベンチに下がった。
三都主はジーコジャパン最多の16アシストをマークしている。日本代表の持ち味である左サイドの攻撃の起点。W杯のキーマンともいえる男が、開幕まで1週間の最終調整で、治療を優先しなければならなくなった。低調に終わったマルタ戦で、攻撃の課題が噴き出した直後だけに、不安が増した。
左の翼だけではない。右サイドの加地もドイツ戦で右足首をねんざしてチームを離脱している。ジーコ監督もマルタ戦後「(右足首の)腱(けん)に炎症が出ている。可動域は広がっているが、あと6日間でどれぐらいできるようになるか」と計算の立たない現状を明かした。今年は負傷したドイツ戦まで8試合すべてに先発していた。
バックアップメンバーには駒野、中田浩がいる。しかし、両サイドは三都主と加地でほぼ固定していた。実戦の中で失敗を重ねながら攻撃の連係を確立してきた。チーム総クロスのうち約40%を2人が蹴っている。代役が同じレベルの仕事をするには、1週間では短すぎる。
日本代表はドイツ入り後、DF田中の代表離脱に端を発し、ドイツ戦で加地、FW高原、柳沢が負傷した。その負の連鎖に三都主までも襲われた。コンディションとチーム戦術の精度をベストに高めなければならない時期での緊急事態。休養日となった5日、加地と柳沢はオフ返上でリハビリを行った。加地は負傷後初めての屋外に出て1周300メートルのピッチをストレッチ、休息を交えて約30分かけて4周半ウォーキングした。報道陣に「大丈夫です」とだけ答えた。
初戦の相手オーストラリアは、4日のオランダ戦で相手の主力3選手を戦闘不能に追い込むなど、予想以上に激しいプレーに終始した。ピッチの上でも体力勝負が強いられる。ジーコ監督はこの日、解説者陣との懇親サッカーの予定をキャンセルして、加地らの調整をピッチで見守った。日本が張り詰めた空気に覆われてきた。【広重竜太郎】
[2006年6月6日10時1分 紙面から]
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