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川口PK止めた!希望のW杯初完封/F組

<1次リーグ:日本0-0クロアチア>◇18日◇F組◇ニュルンベルク

 GK川口能活(30=磐田)がスーパーセーブで日本代表を救った。前半22分、クロアチアMFダリオ・スルナ(24)のPKを左手1本で阻止するなど、90分間好守を続けて0-0ドローを演出。負ければ決勝トーナメント進出が絶望的となる一戦でW杯初完封を成し遂げ、勝ち点1をもたらした。最終戦の相手は96年アトランタ五輪で完封勝ちしたブラジル。奇跡の再現を誓い、ゴールを死守する。

 両拳を握り締めて川口がほえた。「よーっし!」。両手を広げたガッツポーズを繰り返す。加地が、中田英が駆け寄り抱きついた。先制点献上を覚悟した前半22分。川口がスルナのPKを止めた。

 「右だと思ったけど、空気を読んで左かなと思った。ビデオで研究していたけど、すっかり忘れていた。無心だった」。スルナが蹴った瞬間、左に跳んだ。低く鋭い弾道を左手ではじき出した。。

 ビッグセーブでリズムに乗った。前半40分にはFWクラスニッチの強烈なミドル弾を、これも左手1本ではじき出した。98年大会の2戦目で0-1と敗れ、1次リーグ敗退に追い込まれた因縁の相手に、90分間ゴールを割らせなかった。FWカズに並ぶ歴代2位のAマッチ91試合目でW杯自身初の完封。だが「正直、勝てる試合だった」と悔しさが残った。

 出身の清水商にはPKにまつわる川口の「伝説」がある。93年度の高校選手権準決勝・鹿児島実戦。PK戦にもつれ込み、他の選手たちが緊張するなかで川口だけが「オレが主役になれる」と喜び、決勝進出を導いた。12日のオーストラリア戦は終盤の3失点で「飛び出しすぎ」と批判もされたが、自身のスタイルは貫いた。前半42分、何度もクロスを上げられていたDF三都主に詰め寄った。遅延行為で警告をとられても怒らなければいられなかった。

 「僕らは戦っているんです。ここに来られなかった人、途中で帰らなければならなかった人、直前で先発に入れなかった人、そういう人たち全員で戦っている。生半可な気持ちではやってない」。

 次は1次リーグ突破をかけるブラジル戦。川口はA代表で2度対戦して1敗1分け。だが、96年アトランタ五輪では神がかり的な防御の連発で完封し「マイアミの奇跡」を起こした。「失うものはない。このまま終わりたくない。まだこれから、あります」。川口ならやってくれる。決勝トーナメント進出目指し、今度は「ドルトムントの奇跡」を実現させる。

[2006年6月19日9時38分 紙面から]


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