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中沢がブラジルを抑えて恩返し

00年9月20日、シドニー五輪ブラジル戦 ロナウジーニョと競り合う中沢
00年9月20日、シドニー五輪ブラジル戦 ロナウジーニョと競り合う中沢

 日本代表DF中沢佑二(28=横浜)が、22日のブラジル戦(ドルトムント)で「恩返しの完封」を狙う。W杯1次リーグ突破には、最低でも2点差以上での勝利が条件。優勝候補相手に1失点も許されない過酷な状況で、出場停止のDF宮本に代わって最終ラインを統率する。ブラジルは、中沢がプロ選手を目指して第1歩を踏み出した国。大舞台で成長を証明し、ジーコジャパンに奇跡を呼ぶ。

 ジーコジャパン最大の危機を迎え、中沢は腹を決めた。1次リーグ突破のために、世界屈指の攻撃力を誇る優勝候補を止める。無失点で引き分けに持ち込んだ18日のクロアチア戦。わずかに感じた手応えを胸にとどめ、顔を上げた。「縦方向に攻め込まれた感じはしなかったし、しっかり対応できたと思う」。2点差以上で勝つためには、1点もやれない。やるべきことは、分かっていた。

 日本の最終ラインをともに守ってきた戦友であり、チームの精神的な支柱である宮本が、警告累積のため出場停止。坪井や茂庭が控えていても、代表での経験値を考えれば代役を務められるのは中沢しかいない。「気配りができて、周りのことを見ている。僕がそれをやるとプレーに影響しそうだから」というが、合宿中は食事会場で必ず同じテーブルにつくなど最も多くの言葉を交わしてきた。これまで胸に秘めていたリーダーシップを、発揮する。

 ブラジルは願ってもない相手だ。高校を卒業した96年、プロの夢を実現するため単身で渡航。FCアメリカと月給約5000円の契約で競技人生をスタートさせた思い出の地だ。ブラジル色の強いV川崎(現東京V)でJデビュー。00年シドニー五輪では1次リーグでロナウジーニョと直接対決し、0-1で敗れた。組み合わせ抽選後から「僕の好きな国。何かと縁があると思っていた」と対戦を楽しみにしていた。

 あれから10年。夢だったW杯の舞台で再び力を試す。アジア屈指のディフェンダーに成長した証しを、奇跡の決勝トーナメント進出で示す。「W杯の先に何があるかは分からない。これまでの人生のすべてを出したい」という中沢。これまでの努力、そして未来を、夢物語では終わらせない。【山下健二郎】

[2006年6月20日8時24分 紙面から]


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