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ジーコ監督「寂しい結果」/F組

<1次リーグ:ブラジル4-1日本>◇22日◇F組◇ドルトムント

 世界を驚かせることなく、日本代表ジーコ監督(53)の挑戦は終わった。母国ブラジルとの決戦で、FW玉田、巻を先発させて真っ向勝負に出たが、惨敗を喫した。就任当初から選手に「自由」を与え、選手自身がやりたいサッカーを実践。日本サッカー界に新風を吹き込んだが、本番では1勝もできなかった。ジーコジャパンは72戦37勝16分け19敗(PK戦は引き分け扱い)で幕を下ろした。

 皮肉にも日本が進むべき道を、ブラジルが示してくれた。1-4のスコア以上にブラジルは強かった。スピード、正確なパス、シュート、フィジカルの強さを含めて、ボールを奪われないテクニックは際立っていた。

 ジーコ監督 今日、ブラジルがやったサッカーをやりたかった。中盤でしっかりとボールを回すサッカーを。あれを目指してきたが、できなかった。

 中田英、小野ら「黄金世代」が世界と対等に戦える日を目標に、就任当初からジーコ監督は選手へ「自由」を与えた。監督がやりたいサッカーではなく、選手がやりたいサッカーを4年間かけて実践させた。「サッカーに決して同じ状況はない」。

 試合になれば、1つ1つのプレーに監督が指示を与えるひまなどない。その時々によって、選手自身が判断し、瞬時にプレーを選択する。規律で選手を縛り、監督のやりたいサッカーに選手をあてはめたトルシエ前監督とは対照的なやり方だった。

 ジーコ監督 今回(のW杯)はチームがまだ成熟しておらず、後半まで(いい試合運びが)続かなかった。非常にこの結果は寂しい。本当に信じてきただけに残念だ。この世代は日本サッカーを変えられるチャンスがあった。

 ジーコ監督が掲げたサッカーは、決して路線としては間違いではなかった。しかし、サッカー王国が何十年もかけて築いたもの(ブラジル流)を、4年でものにするのはどだい、無理な話だった。指揮官は選手全員に所属クラブでの練習を通してフィジカル強化、課題克服に取り組むよう何度も指示した。「常に上を狙え」と徹底してきたが、成長しなかった選手、もっと成長できた選手も多かったという。

 失敗を恐れる日本人のメンタリティーも災いした。W杯のようなプレッシャーのきつい大舞台でミスを連発。好機にシュートは決まらず、残り9分から3失点したオーストラリアとの初戦のように、歯止めの利かない崩れ方もした。

 ジーコ監督 どういう状況にあるのか、何を実際にすべきかを練習してきたつもりだったが、試合の中で出なかった。

 日本のW杯は終わった。

 ジーコ監督 ここで下を向いてダメだと思ったら成長はない。

 常に上を狙う強い気持ちを持ち、互いに切磋琢磨(せっさたくま)していこうという意識を持った選手が多ければ多いほど、チームは成長する。「ジーコ丸」は荒波を乗り切るだけのパワー、テクニックを駆使できずに「沈没」したが、将来への道しるべを残した。

[2006年6月24日8時18分 紙面から]


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