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オシム氏、理想と現実の差を分析/解説

 オシム氏の言葉は、厳しくて冷たい印象を与えるかもしれない。日本サッカーの現状を否定し、突き放した感じもする。しかし、言葉の表面だけをとらえていては、本質は見えない。代表監督就任を決意したからこそ、言っておきたいこと。それをマスコミを通して国民や日本サッカー協会に対して発信したのだ。

 ジーコ前監督は日本のサッカーを高く評価し、選手に「自由」を与えた。目標も高く設定した。「W杯は参加する大会じゃない。カップを奪いに行く」とも宣言した。常に高い理想を掲げたが、その理想は独り歩きし、現実と区別がつきにくくなっていた。ファンの抱いた期待は大きくなり過ぎ、W杯1次リーグ敗退で現実を突きつけられた。

 だからこそ、オシム氏はまず、冷静に世界の中での日本の現状を口にした。熱くなり過ぎた日本サッカーを冷やした。現実と理想のギャップが大きすぎるからこそ、その差を埋めようとした。理想から入ったジーコ前監督に対して、オシム氏は現実を踏まえて理想に近づこうとする。前任者にはなかった豊富な経験が、冷静な分析を可能にさせている。オシム氏の考えは、その言葉の裏側にある。【サッカー担当 荻島弘一】

[2006年7月3日8時35分 紙面から]


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