オシム監督「対話路線」で日本再生へ

- オシム監督(左)はチームスタッフと別れのあいさつをする(撮影・柴田隆二)
次期日本代表監督に就任することが決定的な千葉のイビチャ・オシム監督(65)が、日本代表再生の柱として「対話路線」を掲げた。5日、岐阜県飛騨市の合宿から千葉県内の自宅に戻り、今後のJリーグなどの試合視察の際に、クラブの監督や選手たちと直接対話していくことを明言した。新戦力の発掘と、クラブとの関係良化をはかる。さらにW杯準決勝でドイツを下したイタリアの戦い方を参考にして、選手個々のフィジカル面以上に、試合戦略を新生日本代表の重要な強化点とした。
オシム監督は自宅に戻ると長旅の疲れを見せながらも口を開いた。「今はいろんなサッカーを見ないと。そして基本的に試合のあとは選手や監督と話をしたい」。国内外の試合を可能な限り視察した上で、対話も行う。オシム流の日本代表再生案をさりげなく表明した。6日の千葉―甲府戦の視察は「人が集まりすぎるので、行かないかもしれない」。一方で「今は特別な状態。選手の周りを静かにしてあげたいから」と今回限りの「緊急避難」であることも強調した。
いかにもJクラブ監督らしい発想だった。トルシエ元監督は精力的に試合を視察したものの、試合後に現場に足を運ぶことはなかった。ジーコ前監督の場合は、視察の多くが関東近辺の会場で、試合終了を待たずに会場を後にすることも珍しくなかった。しかし、オシム監督は試合後も控室に出向いて、クラブの選手や監督に話を聞く構えだ。
この3年間でJクラブに所属するほとんどの選手の力は把握している。「J2の試合もよく見ている」と昼田強化部長は明かす。しかし、代表監督はそれでも足りない。難解な面もあるオシム理論を受け入れられるのか。素直さや、吸収力はあるか。人柄も含めて、代表候補生たちを絞っていくと見られる。
W杯準決勝でドイツを破ったイタリアの戦いぶりを参考に強化理論も展開した。「ドイツは高く、よく走った。だが、イタリアの方が試合の組み立て、運び方は上だった。走れ走れだけでは限界がある。今後のサッカーのためにいい一戦だった」。体格や体力だけのサッカーでは、世界は勝ち抜けない。逆に戦術と理論があれば体格で劣っていても勝機はある。自分の理論に自信を深めた。「日本独自の道を築いていかないと」。オシム監督は、早くも日本の将来像を頭に描き始めている。【塩畑大輔】
[2006年7月6日9時22分 紙面から]
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