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ニッカン蹴球倶楽部コラム

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2006年04月30日

まさかの同組! アラブから見たW杯はちょっと違う:海島 健

 今回はちょっとしたクイズからです。W杯ドイツ大会に出場するアラブの国はいくつで、その国名は。そして、1次リーグはどの組(A~H)に入ったでしょうか。
 正解は2カ国で、サウジアラビアとチュニジアです。両国ともH組に入っています。ちなみにD組のイランは中東という言葉の範囲には入っていますが、アラブ系の国ではなくペルシャ系が主流の国家ですね。イラン対バーレーンとか、イラン対オマーンなんていうカードが、えてして激しい試合になることが多いのも、ペルシャvsアラブの図式が背景にあるからだというのは、サッカーファンにはかなり知られるようになったのではないでしょうか。

 皆さんは昨年12月のW杯本大会抽選会を覚えていますか。ドローの最後になって、日本のボールがなかなか出てこず、最後の3つが日本、韓国、サウジアラビアでしたね。この最後の3つのボールの行方を見守っていた筆者は悲鳴を上げ続けました。「日本よ、ブラジルと同じF組だけは避けてくれ」と思っていればFを引き当てる、「サウジアラビアがH組だとつまらない」と恐れていると、そのH組に入ってしまった。しかも、日本の永遠のライバル韓国は比較的楽そうなG組に入っているではないですか。

 サウジアラビアにH組に入ってほしくなかった理由は、同じアラブ系のチュニジアとの同居を避けてほしかったという、中東サッカーウォッチャーとしての個人的な希望です。せっかくのW杯なので、アラブ人国家対アラブ以外の国の対決を1つでも多く見たかったからです。

 サウジアラビアがアジア代表、チュニジアがアフリカ代表なので同じグループに入る可能性は少ないながらもあったのですが、まさか本当になるとは…。6つのクラブが参加したトヨタ杯も初戦がいきなり「アルアル対決」で、アルアハリ(エジプト)-アルイテハド(サウジアラビア)で、これなどは紅海をはさんだ隣国決戦でした。

 今後世界大会を開催する際に、地域性を考慮に入れる時は、この広大なアラブ世界のことも少し考えてもらえたらと感じました。今回のドローでもセルビア・モンテネグロ特別ポットなんていうのもありましたから、そんなに難しいことではないと思います。

 それはさておき、このH組の他の国はウクライナとスペインなのですが、サウジアラビアの日程を見ましょう。
 6月14日   チュニジア戦
 6月19日   ウクライナ戦
 6月23日   スペイン戦
 2戦目が欧州予選をプレーオフなしで勝ち上がった(2組1位)ウクライナ、最終戦がシード国スペインということで、初戦の重要度がとても高いことがうかがわれ、わが日本の置かれた状況とかなり似ているように思えます。

 仮想チュニジアとしてあまりに貴重な一戦、4月19日のエジプト戦レポートをちょっと…と言いたいところですが、これはお届けできません。例によって中止になってしまいました。前回コラムなどをご覧いただければお分かりでしょうが、とにかくアラブ諸国では予定がコロコロと変わります。サウジアラビアを追いかける筆者は冷や汗だらけ、まったく予定というものが立ちません。で、チュニジア対策らしきものは…ありました、5月31日のトルコ戦ですが、本当にやるんでしょうね?

 2強(スペイン、ウクライナ)2弱(チュニジア、サウジアラビア)などと評されるこのH組ですが、アラブ勢が1つでも決勝トーナメントに駒を進めてくれますように。
 やっぱり考えようによっては楽しみになってきました、大舞台でのチュニジア-サウジアラビア戦。お見逃しなく。今後もアラブ両国情報を中心に、こちらの様子お伝えいたします。

海島 健(うみしまけん/バーレーン大学講師)
 1965年、東京生まれ。一橋大学社会学部卒、97年よりバーレーン在住。98年バーレーンでのガルフ杯のころからバーレーンの試合を見続けている。湾岸の弱小国の時代から追いかけているだけに、06年W杯ドイツ大会の最終予選の組み合わせ(日本とバーレーンが同組)には感慨ひとしおだった。現在はバーレーン大学で日本語の講師を務めており、蹴球倶楽部では中近東のサッカー情報を伝える。

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