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ニッカン蹴球倶楽部コラム

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2006年05月12日

シンジは笑顔でチームを引っ張る:土井敏之

 シンジがすごい! 小野伸二が輝きを放っています。どれだけすごいか、プレーの解説は専門家にお任せするとして(軽い逃げ)こんな現象で説明をしようと(軽い人任せ)。

 日刊スポーツの1面、5月6日(土)の「小野スペイン移籍」、5月8日(月)の「小野2発」、5月10日(水)の「小野完全復活」と、なんと1週間で3回も小野の文字が踊っているのです。6日なんて、平均視聴率33%をたたき出した私実況のボクシング亀田興毅(軽い自慢)が各紙トップなのに!(得意の虎をもってきたデイリー以外ね、笑)それ以上に、純粋にプレーで2回も1面を飾っている事実から、小野の充実ぶりが裏付けられるというものです。

 その1面に輝いた、2ゴールを挙げた鹿島戦を実況しました。鮮やかに、かつ抑えのきいたボレーのゴールに、キーパーの上を越していくゴール。どちらも、しゃべりがいのあるシーンでした。特に2点目。蹴り方、上がり方を見て蹴った瞬間チョップキック! と申し上げたのですが、スローで見るとトーキック!? つま先でやる方が難しいんじゃない? というプレーを瞬時に簡単にやってのける-。言ったこちらが恥をかくほどの、想像以上のプレーを魅せる域に再び達したんだな、と実感しました。

 それと同時に、印象に残ったのは「笑顔」でした。ピッチ上で何度となく見せる笑顔に、思わず「今日は小野の笑顔がよく見られますねー」と解説の小倉隆史さんにふっていました、答えようがないだろうに(笑)
 キリン杯ブルガリア戦でも、中1日の出場でしたが、スタンドの記者席から見ていても、体全体からスマイルが溢れているような元気っぷりでした。

 笑顔が小野の代名詞。彼が笑うと周りも引き込まれます。テクニックで、リーダーシップで、闘争心でチームを引っ張る選手はいても、笑顔でノセる選手は稀有。その笑顔は、フランスW杯合宿地エクスレバンで、練習終了時に後発組の記者から、最新の週刊少年漫画誌をもらってはにかんだ、18歳のあどけない笑顔と根本的に変わっていません。苦労と努力を重ねてきても、無邪気な部分を失っていない。そこにみんなが魅かれるのだと思うのです、奥底に強さを感じるから。

 5月15日、代表メンバー発表で小野伸二は間違いなく笑顔で迎えることができるでしょう。でも落選した選手への気遣いや、これからが本番との思いから、破顔一笑ではないんだろうな。

 見ているだけで幸せになる最高の笑顔は、6月、ドイツのピッチの上で。

土井敏之(どいとしゆき/TBSアナウンサー)
 1970年(昭和45年)8月19日生まれ。東京・西高−早大法学部を経て、94年NHK入局。その後、TBSに移籍する。スポーツ中継のほか98〜03年には「スーパーサッカー」担当。中学2年生の84年、全国中学バレーボール大会に出場したこともあるスポーツマン。

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