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日本代表の素顔・大黒将志

 FW大黒将志(26=グルノーブル)は「強心臓」の持ち主だ。代表での5得点は昨年2月の北朝鮮戦ロスタイム弾を皮切りに、W杯出場を決めた同6月の北朝鮮戦、欧州王者ギリシャ戦、世界最強ブラジル戦、W杯予選1位通過を決めたイラン戦。とにかく大舞台に強い。ここ一番で実力を発揮できる度胸がある。

 プレースタイルを支えるのも「強心臓」だ。今年1月、フランス2部グルノーブルに移籍。渡仏直後、現地の病院でメディカルチェックを受けると「彼は非常にいいモーターの持ち主だ」。クラブでフィジカルを担当するイヴ・ブールジェ・コーチは、心肺機能の高さに目を丸くした。

 特に優れていたのが最大酸素摂取量だった。この数値は「一定時間あたりに体内へ取り込める酸素量の最大値」で、一般に持久力の指標とされる。チーム平均の58、FW平均の55に対して大黒は68。仮にマラソンを走れば、2時間26分台が可能な数値だという。常にゴールを意識してDFラインの裏を狙う豊富な運動量は、高い心肺能力があってこそだった。

 海外移籍も「強いハート」で敢行した。選んだのは、フランス2部という目立たない舞台。「厳しいところに行った方が、自分のためになる」。7歳からG大阪ジュニアに入り、いわゆるエリート街道を歩んできたからこそ、厳しい環境でもまれる必要性を感じていた。フランス語の勉強もそこそこに「向こうに行けば何とかなる」と小さな電子辞書を手に飛び立った。

 成果はあった。5カ月前、ブールジェ・コーチの第一印象は「小さく速い(バルセロナFW)ジュリのような選手だが、頑丈さが足りなかった」。その後5カ月で肉体は鍛え直された。試合翌日でも毎回20分以上走り込むハードなメニューに、何度か「僕には合わない」と訴えた。だが、コーチは「君はまだ伸びる。やらなきゃダメだ」。そして今月12日の最終戦後、フランスでの収穫を聞かれた大黒は言った。「足が頑丈になったと思う。いつもぬかるんだピッチでやってたし」。

 いよいよ人生初のW杯。「ブラジルが相手でも絶対勝ちたい」と大黒。持ち前の「強心臓」と、異国での成長を見せる「得意の」大舞台だ。(松本愛香通信員)

 ◆大黒将志(おおぐろ・まさし)1980年(昭和55年)5月4日、大阪府生まれ。7歳でG大阪ジュニアに入り99年トップ昇格。J通算115試合48得点、国際Aマッチは16試合5得点。今年1月に仏2部グルノーブルに移籍して17試合5得点。家族はみわ夫人。178センチ、73キロ。血液型B。

[2006年6月1日8時53分]


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