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冷めていた王様の周囲/検証ジーコ日本

 「大の字」になったMF中田英に手を差し伸べた日本の選手は、DF宮本だけだった。1次リーグ敗退が決まった6月22日のブラジル戦。試合直後、ジーコジャパンの「キング」が人目をはばからず涙を流した。「最大限(力を)発揮していれば、こういう結果になっていなかった」。ジーコジャパンの大黒柱としてチームへ数々の警告、苦言を呈してきたキングの最後のメッセージだった。

 妥協を許さない姿勢で練習に取り組み、W杯出場を決めた際に「このチームには、まだW杯を勝ち抜く力はない」など、歯に衣(きぬ)着せぬ発言でジーコジャパンの先頭に立ってきた。ジーコ監督はその姿勢を絶賛した。「アジアでやってきた以上のものを出さないと世界では絶対にダメ、と言ってきたのは間違いじゃなかった。中田英はそれを分かっているから、さらに自分を鍛えてきた」。

 ジーコ監督に言わせれば、世界と互角で戦うため、プロ意識を持って本気でW杯へやってきたのは1人だけだった。「中田英に練習を合わせるとみんな壊れちゃう」という愚痴を、日本協会の川淵キャプテンへ漏らしている。6月20日の練習もそうだった。1人、2人と抜けていった1時間を超えるシュート練習で最後に残ったのは中田英だった。

 そんな姿勢についていこうという気概を持った選手はほとんどいなかった。シュート練習を繰り返す姿に冷ややかに視線を送りながら、ロッカー室へ引き揚げる選手たちがいた。ある選手は「言い方をもう少し考えてくれれば良かった。築いてきたサッカー観を頭ごなしに否定される。『どうなの?』という言い方ではなく『こうすべき』と意見の押しつけがあった」。高圧的な言い方に辟易(へきえき)し、反発感情を抱く選手も少なくなかった。試合中、明らかに自分のパスミスに「何やってるんだ!」と言わんばかりに相手を責めるパフォーマンスも、選手の気持ちを1つにする上で障害となった。

 ドイツ入り後、練習前のリラックスタイムに中田英はほとんど輪の外にいた。クロアチア戦を前に中田英主催で選手だけの決起集会を開いたが、簡単に溝は埋まらなかった。ある選手は大会中に平然と言った。「気持ちを1つにしないと」。周囲は冷めていた。すべてにおいて圧倒的な力を持った「裸の王様」を中心に、チームは最後までまとまらなかった。【日本代表取材班】

[2006年7月14日9時20分]


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