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カーン出番だ、レーマンが負傷

練習でスパイクシューズを履くGKカーン。右はクリンスマン監督(AP)
練習でスパイクシューズを履くGKカーン。右はクリンスマン監督(AP)

 ドイツ代表GKオリバー・カーン(36)が、14日のポーランド戦で先発する可能性が出てきた。9日の開幕コスタリカ戦は4-2で勝ったが、正GKのイエンス・レーマン(36)が左足首を負傷。試合後も痛みを訴え、経過を見守ることになった。先発を外されながら、チームのために代表残留を決めた男に、意外なチャンスがめぐってくる。ドイツ代表で背番号1以外の選手がW杯に出場するのは、36年ぶり7回目になる。

 失意のカーンに、出番がくるかもしれない。GKは、負傷以外は交代がまずない。そのめったにない機会が、2戦目にして訪れようとしている。開幕戦は、4-2で勝った。その裏で、正守護神のレーマンにアクシデントが起きていた。

 試合後、次戦出場の可能性を問われたレーマンは、表情を曇らせた。「痛みがある。(出場は)分からない。何とも言えない。様子を見たい」。ケプケGKコーチは重傷でないと説明したが、本人は慎重に話した。序盤に負傷し、前半20分にピッチ外で治療。ハーフタイムには、足首にテーピングを施してプレーしたが、今後への影響が残った。

 打たれたシュートは4本だけ。GKのミスはなかったが、好セーブもなし。2点は、DFラインのほころびから奪われた。失点のたびに、ベンチ専用のテレビカメラはカーンの表情をとらえる。大きな反応はなくとも、微妙な顔の筋肉の動きは、見る者の想像力をかき立てた。

 クリンスマン監督の就任後、GKはローテーション制が採用された。02年大会MVPのカーンは、主将からも外された。カーンかレーマンか-。同い年のGK争いは国中を巻き込む議論となり、3年にまたがった。結論を聞いたのは、4月7日午前。ミュンヘン中央駅のホテル・ドリントソフィテルに呼び出され、クリンスマン監督から直接聞かされた。「正GKは、イエンス・レーマンだ」。周囲からは、力の衰えを指摘する声もあった。

 「ダンケ(ありがとう)」と答えて部屋を出てから、自分との戦いが始まった。代表からの離脱も予想されたが、チームに残ることを決めた。背番号は12。開幕戦直前も、役割はレーマンのウオーミングアップ相手。屈辱に耐えながら、いつでも出られる準備は整えてきた。

 マイヤー、シューマッハー、イルグナー、ケプケ…。数々の名GKを輩出してきたドイツで、背番号1は特別な存在だ。西ドイツ時代を含め、ドイツ代表で背番号1以外の選手がW杯に出場すれば36年ぶり7回目になる。本来なら、正GKの故障はチームのピンチ。しかし、潔い態度で逆に人気が急上昇したカーンの登場は、ドイツをさらに活気づける。カーンが、名誉を回復するチャンスは、残されている。

[2006年6月11日9時55分 紙面から]


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