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トニ2発!イタリア4強/準々決勝

後半14分、ゴールを決めたイタリアFWトニは歓喜のガッツポーズ(AP)
後半14分、ゴールを決めたイタリアFWトニは歓喜のガッツポーズ(AP)

<準々決勝:イタリア3-0ウクライナ>◇30日◇ハンブルク

 30発男が、ついに目覚めた。イタリア代表FWルカ・トニ(29)が、ウクライナ戦で2ゴール。3-0の完勝に貢献し、ベスト4進出を決めた。大会5戦目での初得点は、82年スペイン大会で逆転得点王に輝き、イタリアを優勝に導いたパオロ・ロッシ氏と同じ。今季セリエAで47年ぶりの30ゴール超えを果たした得点王は、24年ぶりの優勝へ黄金ルートを歩み始めた。準決勝は、開催国ドイツと対戦する。

 聞き耳を立てるように右手を顔の横に当て、クルクルと回す。セリエAでおなじみの祝福パフォーマンスが、W杯で初披露された。トニが、やっと決めた。後半14分、トッティのクロスを、お辞儀をするように頭で押し込んだ。その10分後にも、的確な位置取りから「ごっちゃんゴール」。右手の動きはもう、止まらなかった。

 「1点目は、僕のキャリアの中で、最も大事なゴール。FWで1人だけ入れてなかったのでよかったよ。2点も入れられたので最高だね」。ジラルディーノ、ヤクインタ、インザーギらに続いて、エースが感覚を取り戻した。リッピ監督は「トニは3年間で80点も入れたのだから、この大会でもできないはずはないと思っていた」と、目覚めた得点王に満足げだった。

 開始6分で、DFザンブロッタが先制。早めにリードしたことで、相手にボールを持たせて守る伝統戦術をとった。しかしFWシェフチェンコを中心とする相手の攻撃に防戦一方。嫌なムードも漂ったが、それを吹き払い、勝利を決定づける貴重な1発となった。

 今季は、31点でセリエA得点王。47年ぶりに、30点の大台を超えた。03-04年シーズンまでは、セリエB(2部)の選手でしかなかった遅咲き。代表デビューは04年8月で、まだ2年もたっていない。この大会も、自らのキャリアと同様、エンジンの掛かりは遅かった。

 しかし、大会5戦目での初ゴールには、吉兆データがついてくる。イタリアが最後の優勝を飾った82年スペイン大会。得点王を奪ったロッシ氏も5戦目が、爆発の始まりだった。トニは言う。「僕がロッシみたいだって? それはどうか分からないけど、いい気持ちはするね。そう思いたいよ」。ロッシ氏はテレビの解説者として、ハンブルク・スタジアムで見守っていた。

 次は、決勝進出をかけてドイツと当たる。「ハードな相手だけど、僕らもハードだ」とトニ。3月1日の親善試合は4-1で快勝し、2点目を挙げた。トニがロッシになれれば、24年ぶり4度目の栄冠がついてくる。得点するごとに、右手が動く。ゴール後のパフォーマンスは、前に所属したパレルモのチームメートが、夕食時にやったことがきっかけ。込められた意味は「分かった?」「聞こえる?」。この日の活躍で、その名声は世界へ伝わり始めた。【佐々木一郎】

[2006年7月2日8時37分 紙面から]


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