このページの先頭



ここから共通メニュー

共通メニュー

ホーム > 2006年ドイツW杯 > 紙面から > ニュース



イタリア醜聞乗り越え4度目世界一/決勝

カンナバロ主将を中心に歓喜のイタリア選手たち(撮影 パオロ・ヌッチ)
カンナバロ主将を中心に歓喜のイタリア選手たち(撮影 パオロ・ヌッチ)

<決勝戦:イタリア1-1(PK5-3)フランス>◇9日◇ベルリン

 イタリア代表が、逆風を乗り越えて24年ぶり4度目の世界一になった。フランスとの決勝は先制されたものの、前半19分にDFマルコ・マテラッツィ(32)が同点弾。1-1のまま突入したPK戦は、5人全員が決めて決着をつけた。イタリアサッカー界を揺るがす不正疑惑、元代表DFの自殺未遂など数々の苦難と直面しながら、たくましく頂点へ上り詰めた。

 待ちきれない。V戦士たちが、表彰台の上のW杯トロフィーに次々と口づけ。カンナバロ主将が掲げるころには、唾液(だえき)にまみれていた。トッティは、国旗でほおかむりして笑った。トニは「ロッカールームでビールをかけ合い、飲んで少し酔っぱらっちゃった」とおどけていた。

 開始7分でPKを決められても、くじけなかった。19分にMFピルロのCKを、マテラッツィが頭で押し込んだ。延長戦まで120分を終え、シュート数は5対13。苦しんで迎えたPK戦は、全員が成功させた。

 「イタリアでサッカースキャンダルが持ち上がらなかったら、優勝はできなかっただろう」。MFガットゥーゾは逆説的に言った。心が揺れる出来事が、次々に起きた。大会中、元代表DFでユベントス幹部のペッソット氏がビルから飛び降り、重体となった。カンナバロ主将は会見を切り上げ、イタリアへとんぼ返りしたこともあった。

 DFネスタは負傷で、決勝トーナメントに出場できなかった。終了間際のPKで勝ち上がると、ドイツ誌には「寄生虫」呼ばわりされた。決勝前には、元フランス代表MFプラティニ氏から「イタリアが我々に勝つのは2030年だろう」と挑発された。燃える要素に事欠かなかった。

 選手たちは、勝つためには何でもやった。あらゆるゲンも担いだ。宿舎でDFオッドが伸びた髪を切ってあげたマテラッツィが、次の試合でゴールを決めると、散髪希望者が殺到。FWデルピエロは、親交のある英ロックバンド「オアシス」のメンバーに激励を受けた後の準決勝で得点すると「決勝も、同じパンツ、同じ靴下で来てくれ」と懇願した。

 やるべきことはやった。大会中の練習で、笑い声は起きない。リッピ監督が話し出すと、億単位の年俸を誇る選手たちが直立不動で聞き入る。緩んだ空気は全くない。決勝前日、雨の影響で本番会場が使えなくなったが、視察のためだけに全員で訪れた。万全を期した。

 23人全員がセリエAに所属する。32カ国中、同一リーグの選手だけで構成されたのはサウジアラビアとイタリアだけ。相互理解が深く、結束していた。「ローマに戻ったらイタリアのファンと祝いたい。夏が終わるまでずっとパーティーだ」とトニ。カルチョの国が、復活した。【佐々木一郎】

[2006年7月11日7時51分 紙面から]


最新ニュース

記事バックナンバー


ここからサイドエリア

 

このページの先頭へ

ここからフッターエリア